七巻
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10
投稿数
20
透き影と陽だまりの美しさを貴方はまだ知らない方が良い
5
目を開き明るむ空に雲流れ 烏が鳴いて私が泣いて
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手に落ちた春の端切れの陽だまりを筆の代わりに言葉で描く
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夕暮れ レースカーテンの拍動を私はひとりで眺めている
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ほとほとと心つかれて白い花 息の白さがかすむくらいに
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街白み 休むひまなく降る雪を花にたとえる人のやさしさ
17
秋の夜に明かり灯せし並木道 どこまでゆくか銀河鉄道
14
心療内科の扉抜けて風を追う 秋溢るる木々に陽溶け
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つくつくぼうし影法師 風鈴、風鈴! おれのために鳴ってくれ
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わたくしの心の苦さに古本の甘いミルクがとけてカフェオレ
9
早朝は哀しさ含み カーテンに包まれ濾され壁に染み入る
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紫陽花を待つわたくしは 貴方と言葉のちがいを考えている
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夏の桜の樹の影のうつくしさをあなたは知っているのですか
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花も咲かない小さな部屋の入り口でひとり私が死んでいる
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たんぽぽが 踏まれて轢かれて育つなら 僕ら今頃マングローブに
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天気予報 外れて今朝の空は焼け 寝ぼけ眼のシャッターをきる
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風運ぶ 青さが少し薄れゆく  ホットコーヒー 夏に句点を。
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朝月夜 並々入れた珈琲にうつるまだ眠そうな猫の目
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梅雨の末街の向こうに光がさす 多分あそこに夏がある
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コーヒーのお湯沸かしてる間 早く出しすぎたアイスをながめる
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