七巻
6
8
投稿数
15
夏至を過ぎたカーテンの光はやわらかく まだあなたを待っている
8
紫陽花を待つわたくしは 貴方と言葉のちがいを考えている
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夏の桜の樹の影のうつくしさをあなたは知っているのですか
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花も咲かない小さな部屋の入り口でひとり私が死んでいる
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たんぽぽが 踏まれて轢かれて育つなら 僕ら今頃マングローブに
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天気予報 外れて今朝の空は焼け 寝ぼけ眼のシャッターをきる
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風運ぶ 青さが少し薄れゆく  ホットコーヒー 夏に句点を
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朝月夜 並々入れた珈琲にうつるまだ眠そうな猫の目
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父に渡す新聞 歌壇と俳壇抜き取っていることは内緒!
5
眠れなくて聞こえるものは秒針よりも早い鼓動ひとつ
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夏が終わったなと思う暇もなく今日もヒートテックと眠る
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彼誰時まだ眠る君の匂いをそっとかぐ 僕はどろぼう
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夕時雨あなたに借りたヘミングウェイあなたは吸わない煙草の匂い
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梅雨の末街の向こうに光がさす 多分あそこに夏がある
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コーヒーのお湯沸かしてる間 早く出しすぎたアイスをながめる
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