月一のゴルフドタキャン言い訳す、体調不良とふ老後鬱
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百年の恋が冷めるのも見直して好きになるのもトーク番組
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うたうこと思い出すこと同じなら 過去をムリヤリ忘れなくても
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書くことは思い出すこと 師の言葉胸に刺さってさっそく一首
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雑踏でふっと記憶がよみがえる そうそうこれはあなたの香り
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林檎が実る窓辺 生きている意味とか考えた事ありますか?
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「そうだね!」と 力強めに押すハート 開けたらやっぱり 彼の人だった
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百点を取るためにした勉強をすべて忘れて残る「教育」
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遠雷が 遠雷のままであるならば 今夜の僕は ラジオを切ろう
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いろいろな思い飲み込み日本酒を二合呑み干し謝罪のライン
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ねこはみな 洗濯物がすきだねぇ 洗いたてタオル シャツにハンカチ
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そぼ降る雨 母の観ているハイライト 実家の朝の平和な光景
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通学路とぼとぼ戻ってくる奴に 帰りに寄るわと声をかける
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非通知に出るはずないからかけられる 喫茶店端のピンク電話で
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ひと月が終わるね送信トレイ見て すごいなそんなに仕事こなして
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満たされて欠けて満ちてを繰り返す 月は昔人間だった
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君がくれた燃やしてしまったあの手紙 今でも僕は温かいよ
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更新し続ける君に会うまでの既出情報しかない街を
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終わらない凪に久しくたたまれた白帆についた弱いため息
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犬や猫さくらの花と話したいその前提にやさしさありき
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あの靴が足どり軽くしたんだね事実を知った新しい靴
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雨上がり電車は少し空いてなお湿った空気が妙に苦しい
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さらさらに新調をしたスニーカーこれから僕と汚れゆくのか
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海が好き あなたの髪が揺れるから 好きだと言っても聞こえないから
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はみ出ゆく波打つようにじめじめと我が身たゆたう布団の岸辺
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首すじに先走る梅雨の気配濃く 名残り惜しげの薔薇の魅せ仕舞い
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町中を突っ切る巨大な戦闘機 止められるのは信号機のみ
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ボール奪取の強い意識を取り戻せ積極性ヘ古希のサッカー
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雨もやみしたたり落ちる葉のしずく が差し込めばダイヤの如く
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煩悶の反復の中で サルベージできない詩を何度も焼き直した
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