我を待ち我と一緒に歩く月魅惑の顔を見せて引き寄せ
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「少しだけ」「もう帰るから」ワガママが見送るときは星空でした
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君の前でしか泣かない約束を今でも私は守っています
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街あかりあなたの部屋を目で探すレジ袋入りの愛をぶら下げ
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僕宛に手紙を書いて出してみる差出人に君の名を借り
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君からの「あいしてる」とは「約束」じゃなく「願い」だと今さら気付く
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夢に見るあなたはいつも泣いていて 今朝も優しく痛むこの胸
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振り向いてあなたと住んだ部屋を見る 持ちきれない想いを置いて出る
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2年ぶり大好きだった君からのLINEは「今夜さらいに来て」と
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出逢った日君の瞳に映ってた青空色と同じ気持ち
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たおやかに流れる時にいつの日か君との恋を誇りに思う
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今までと何かが変わったわけじゃない君がいないだけ、ただそれだけ
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無造作に生きてしまった一年を省みぬ間に一年が過ぎ
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僕のこと世界でいちばん嫌いだよ好きの枠なら壊しちゃったよ
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動物の内ってそれほど単純か? あなたの擬人化、思い込みでは?
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うつくしくひかり続けるもう二度と会えないひとを沈めたみずうみ
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本当に何様ですか?数ヶ月のみで動物分かった口ぶり。
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あと4日ここまでくると「まっ、いいか」 いろんなことにあきらめがつく
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病棟は日々変わりなくせわしくて 年の瀬という言葉忘れて
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まさにこの言葉を授けてくれたのも、お皿を投げつけてきたのも、母
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待つ人のいる人と逢うその前に香水テスターオーラに纏う
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あたたかな微睡みの中でなめるアイスはミルク味かバニラ味か
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忘れたい思い出だけを積み上げて歩道に影が長く伸びてく
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憧れと呼ぶには朧げ過ぎたのに影だけが濃く焼き付いている
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そのほかの星の名前は知らぬままオリオンだけを標に歩く
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小間切れの肉しか無くて丸めたら酢豚ぐらいは作れるかもよ
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カラフルな刺子を縫いて義母ははに送る 雪の暮らし華やぐようにと
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母さんが別れた父と初めての外食で出た憎っくき酢豚
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からまった 言葉のあやも 電線も 缶コーヒーの 湯気でほぐして
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たくさんの仔猫を助ける夢をみた 貘ごめん今日のご飯は抜きだ
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