ムースとは縁遠いそのミルク味非売の果ての再現者多し (ねこ母cat様へ)
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世界遺産 ながるる滝は 畏怖の音 水の清さで 神と拝さる/ 和歌山 那智の滝にて
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クワガタを そっと見守る きみの背は 愛の塊 確かにまるい
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バイバイも 手洗う仕草も 父の名も 出づる言葉は みな「パッパッパ」
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網戸から 鼻に飛び込む ぬるい風 焼けた畑と 小雨の匂い
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お爺ちゃん飯はまだかとまた言ってる今いただいてるそれは何なの?
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涼し気な 服を求めた クールビズ オフィスカジュアル わからぬままで
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孫の顔早く見せろといつも言うわたしあなたの孫なんだけど
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涙腺が乾いてるから大人です 月は追いかけなくなるでしょう
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朝六時 いつもの親子「いってきまーす!」ランドセル二つ 元気に駆け行く
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荒川をゆられて越えた行列のかほりは夏を迎える鰻
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ラインでは私の事を「きみ」とう 逢った時だけで名前で呼ぶ彼
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中休み顔も洗わずパンを食み Amazonプライムアマプラ観てる束の間のさち
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いよいよか予報士告げる梅雨入りと こんなに皆から話題にされて
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同じ不満 神さま好きと勘違い 叶えてくれますまた言えるよう
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お役目は素っぴん隠しに活躍し マスクで通うゴミステーション
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ひと押しで不具合解決 洗濯機 私も欲しいなリセットボタン
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ドライバー 尊敬します その技術 どうか守って 互いの命
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歩行者かつ 自転車乗りの 歩道でも 警戒するは 鉄のかたまり
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唐突に叫びだしたくなってくるこれがわたしの鳴き声なのか
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この世とはすべて虚飾の被り物 剥ぎ取る人や苦しがる人
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背の高い木々が茂った住宅地先が見えぬし何だか怖い
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擦れ辞書のページを捲ったかのようにかすみたる街流れる車窓
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本を読む時間もなくなりかなしいと言ってる手にも本持てばよい
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初恋の 人の消息 知らねども 異なる町にて 過ごし聞く夏
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コンティニュー?コインを投入してください残り三秒までためらっている
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容量が100ml減っているトマトジュースで眼がさえる朝/デルモンテ派
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夏日刺す背中を焦がす水田に草ぬく農夫水面の空の
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ガコオオン 恋は空から降ってくるかなだらいの音響かせて
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夏至近し、宅急便を開け見ればパナマ帽子とマスク三箱
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