業務過多 桜満開 素通りし 心の中に 花を咲かせる
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タイミングどんな場合も大事だね 会える人とは 会えるときに是非
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前世での業を償う檻のよう 筍水煮 0806
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後日談みたいに笑って言わないであの頃きみが好きだったとか
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初めての万年筆は就職の記念インクは空色にする
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散ってから旅が始まる花びらは海を目指して川下りゆく
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桜色景色彩る華やかに行き交う人も笑顔満開
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幸せになれるボタンが目の前に。家族も友もカレも消えますが
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臆病なライオンが泣く嘘つきの魔法使いはもういないのに
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ももづたふ翡翠のはしを八十ばかり連ねたかずら今ぞ盛りは
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前世ではきっと猫だという飼い主あなたをじっと見つめる現世のわたし
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無添加のお高め醤油を買っただけ すごくいい事した気になってる
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風でふくらんだカーテンを抱きしめる そこにもういないのは知ってる
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仕事中「迎えに行く」と息子からLINE 頬の緩むをマスクに隠し
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扉を開けるとそこには偶然性があり 例えば私は死んだ
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花冷えの走る車のルームミラー 凛々しく映る君にエールを
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幼木と並んで撮った君と僕 今は見上げる桜満開
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りてきた かぶってもいい うも良し 手を借りたい 万能ばんのうな猫
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東京の街が眠る深い時間 赤い灯航空障害灯はしずかに息をし
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筏師は霞のみをや下すらむ高嶺の花の散るを受けつつ
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すめろぎの御代栄えむと咲き出づる花の都の靖国の宮
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桜の花びら あの日の思い出 泡沫の夢 みな手のひらから 滑り落ちるもの
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雨降りの街を往き交う傘の下 ひとりひとりの影は透明
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一年前 桜ノ宮で食べたあれが 史上最高のイチゴ飴かな
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ねこたちは うしろあたまをくっつけて 手足のばして ふたりでSの字(スヤスヤ)
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今年また桜は咲けど共に見し人のまだ世にあるは幾人いくたり
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高らかにあがれよあがれシャボン玉 幼子たちの希望をのせて
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「初恋は 実らない」 でもこの恋を 最初で最後の 恋にしたいよ
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雨の色が透明だと思ってた頃 きっと私に嘘なんていらなかった
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annualな喜びだけが幾たびの世紀を越えてこの場所に咲く
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