陰鬱な気分から抜け出せない時に曇り空だと嬉しくなる
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佐保姫の眉偲ばるる青柳に髪より細き春雨ぞふる
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ちりかかる鏡と見ゆる川の面に梅が香こそはうつらざりけれ
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おおぜいで花の子達がやってきて、目鼻は歓喜でなみだなみだ、もう充分だよ
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つまらないそんな思いが募る日々実は飽きた証拠と気付く真夜中
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公園にうぐいすひと声軽やかにいつかはきっと谷渡る声
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植込みにうぐいすの声バス通り 思わぬ春の贈り物かな
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人間が不完全であるように神様もまた不完全である
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ねえはやく開けちゃいなって まきちゃんの夢に何度も出てくる扉
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ガーシーは有言実行しただけさ 選んだ人は何を思うや
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雉鳩キジバトの 半拍ずれて く声に 尊き個性 響く蒼天
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神風も吹きは払はぬ霞かな御裳川みもすそがはの曙の空
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やわらかな布にはなれやしないけどナイフでだって君を守れる
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酔へばまた悲しみ増さる別れかな涙をそそく春の盃
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忘れめや慣れし雲居の朧夜に星を列ねし花の宴を
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神ならば今日この時の失敗が神話になるしオペラにされる
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春霞 運転席に君はいない ウォッシャー液も空のまんまだ
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「強くなりたい人はお断り」なんだダイエット用ボクシングジムか
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親子連れあんた病院好きだよね子供が笑うまずい読まれた
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たおやかを纏うがごとく乙女たち つかめその手に明るき未来
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猫様のための引き戸の開け閉めを言われなくともやっちまってる
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預けてた車戻ればすりすりとペットみたいに車体擦り寄せ
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バラタナゴ 一足早い 桜色 春の陽射しに 光るプリズム
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幼き日祖母と食べたるパンケーキあの日の味を今も忘れず
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目玉焼き 焼かれた黄身を 眺めては 悔しく思う 我が身の歪さ
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人間は続かぬことを許された 一代の舞台 徒花の生
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まどろみて 夢に見ゆるは 天使に似たる あの子の横顔
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辻に立ち庚申塔を拝みては心惑いし我が身を憂う
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人類が十人生き残ったなら、(         ここにあなたの人間観が
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僕たちは何が起きてるかを知らず何も知ろうとせずに生きてる
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