溶けかけた氷がカロンと鳴いた昼 畳の跡を膝に付けつつ
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押し入れを秘密基地にし潜り込む 蒸された夏の思い出の匂い
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「簡単なもので良いよ」と言う奴を 直火で炙る夏のキッチン
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いわし雲秋の気配に焦り出す 夏が好きなのまだ行かないで
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うるさいと思っていたが本当は好きだと知った蝉の鳴き声
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心待ち焦がるる気持ち潤せり 秋へと続くプロローグの雨
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鉄オタの 息子へ告げる 大ニュース 遂に付いたよ ホームにドアが
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「まけとくよ」その言葉にも断れず買ったあなたの桃がやさしい
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拭いつつメガネのレンズ今日は何汚し汚され過ごした日なの
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メロンパン袋破ればバターの香 食べる楽しみ香る楽しみ
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約束は破られた方の負けだから。夕立降って傘貸したまま
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騒音は判断力を狂わせて固い意志さえぐらぐらさせる
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すべり台よちよち登る弟の後ろで姉ちゃんそっと支える
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雲や鳥、飛行機なんかによく気付く三歳は上を向き生きている
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「満月だね」って送ったら「明るいね」って返事でちょっとがっかり/ホントはかなり
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「あたしらは男友達みたいなもん」とか言う女がマカロン食ってる
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お昼ご飯 冷凍のなにかを 減らそかな 枝豆入れたい スペースが無い(アイスだらけ)
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五年前馴染みのスナック廃業しカラオケ歌うこともなくなり
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終わりゆく 夏の姿を 見る日々に 伸びゆく影が サヨナラを言う
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暗いこと 考えて間に 日は暮れて 明るい朝が やってくるはず
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悪人は いい人らしく 見えるもの 他人を騙して 悪行重ね
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戦争は 悪人たちの 賭けゲーム いい人たちの 命が資本
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年取って 有給休暇と 言われても カーテン閉めて じっとしてます
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次々と 変な子供が 出てくれば 親の責任 あるかもしれず
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子供には 甘い親など 騙されて 威張っていても お笑いぐさよ
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嘘つきが 滅多いない 社会では 騙されやすい 人ばかりかな
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君の罪 放っておけば 同罪に なるかもしれぬ リスクを冒し
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罪犯し 嘘を重ねて 平然と している君を どうするべきか
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満月を 雨がかき消す 突然に 夏が泣いてる 離れがたいと
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やがて世が夢だと気づくこともあれ 革財布に護符を入れたり
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