ナウシカとカリオストロとマクロスのブイエイチエスわが部屋にあり
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僕の彼女 頭脳明晰 容姿端麗 唯一の欠点は主食が人間
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ロールパン米粉が混じり値が上がる苦心伺え心が揺れる
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ゴミ出して見上げた先の春の空 飛行機雲は西から東
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諦めてしまえば楽になれるのに見つめる瞳のように月光
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春の香を足して色づく夕暮れがあなたの居ない街を包んで
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どうどうと溢れだすまま両頬をかなしみに塗る透明ペンキ
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自分の携帯に回線引いたそうな誰の力で引けたのか
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羽田行 待つ客多く 持つものは キャリーばかりな 品川の春
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この意識 なぜこのからだなのかわからない 入っちゃいけない神の領域
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教科書に今日までの日々去来して 虚無が隔てた距離を測りぬ
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風船がはち切れるのを待っているそれまでヒトのふりして過ごす
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初恋の人に再会したとして 今の私で分かるだろうか
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一列の大波として寄せきたが渚近くで白く崩れた
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こんな輩が代議士か どんな奴らが入れたのか チャンネルを変える
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昔ほど手放しで春を喜べぬ 気温の変化やスギ花粉とで
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徹夜あけ朝方すでに炎上の気配漂う熱き口腔こうこう
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春来たり。冬はいずこに、悩み落つ。積読山からニーチェを得たり。
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衣擦れの光灯ひかりあかりのやむごとなき。美しき蛾が、世を(余を)笑っておる。
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あまごいの、恋を恋ゆるな、乙女たち。そなたの道は、虹をおはしめす。
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話したいそう思っては空を撮る「ほら見て綺麗」「わぁ綺麗」いける
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聞こえるのぼわぼわざざざ呼吸とか心臓の音このまま沈む
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凛と立つあなたの姿 触れることが許されない どうかそのまま
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微睡まどろみの中でプニプニずっしりとバブバブ言ってわれ登る吾子あこ
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まぁいいとフタすることが増えてきて誰の人生かわからなくなった
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連休のおわるさびしさかみしめるまたあう日まで元気でいてね
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四十年月日が立つのは早いもの只私の気持ちはあの日のまま
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道ばたで煙草を吸うな フェティッシュで人を殴るな 猫が見てるぞ
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「私」と「「私」」と「「「私」」」……たちの争いを外で見ているしかない私
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死ぬときは みんないっしょね 女子たちの 弾んだ声が 響く教室
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