友人の家族写真の年賀状 笑顔で見れる自分でいたい
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沢瀉の 御大二人の 御影見て えにし感ずる 我が身が居たり
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行く当ても なくさまよった 僕たちは お寿司をほおばる こぼれる二粒
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善人の言葉の棘がささる時 来る朝だけが良薬と知る
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物思い ある夜はお湯に囚われて 冷めていくのに出られぬ湯船
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あめつちを におほひける厚雲あつくもの 狹閒はさまをとほす冬の鈍影にびかげ
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豚汁を温め直す湯気向こう日の出早まり睦月も去りぬ
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乗り遅れ あぁと思った だがしかし 時間あるから 散歩してみた
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「遅おそよう」と起きてきた夫キミ ふと見ると 前もうしろも 髪の毛バクハツ
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この世界全人類が死に絶えた夜はぐっすり寝れる気がする
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洗濯を終えて戻った ねこ母を 寝ていたはずのわが猫らが待つ(おひる)(早いよ)
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安売りのミニトマトとても甘くって ピクルスにするのもったいないな
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ふゆうらら しずくがうがつ のきしたの 雪のふかくに うみのいろあり
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夢でしかもう会えないので 杏露酒飲み干せるうちに飲んでおこうか
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ピュンピュンと音がしそうな勢いで芽吹く若葉を子の如く
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ひんやりと洗濯物は乾いてる乾燥注意今日も発令
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ててなし子 お前のかあちゃん どこへゆく 俺の届かぬ ところへいくの
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幾千の人の想いが歌という星々となり空を満たした
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立ち止まる 大空の青 春風を 添えて心は またあの頃へ
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出勤の前の洗濯干せず出て洗い直しはもう何回目
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われ鬼よ 手足ばたばたおお向けに 鬼面めがけ子の豆きびし
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放送後 一週間は見れますの 期限山積み今日も倍速
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和菓子のおん って知ってる? ムスコよ 我が師の恩だよ
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マルじゃなくていいよ だなんて お誕生日のケーキなのに
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運命の人があなたと思わない アミダが選んだ運はあるけど
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明けぬれど 冬のあしたに音なくて こほりけるさは細水ささみづ
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空冷えて 亡き父の声 きこゆかな 月見ゆるまま 汝があるままに
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大寒の陽射しはすでに春めいて雪掻きする手に額の汗たる
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今日もまた響きし歌を詠む人よ 友にして欲しもし会えたなら
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彼は言う。「殺し続けろ心などそのうちぐぅとも言わなくなる」と
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