少子化はお金だけでは止められず「母」の日常細部まで見よ
5
そういえばコツコツするの好きだったひと月分の駄作貯まりて
2
雨の日はなぜか心が晴れません出そうな本音抑え込むから
2
ツンデレが あからさまでも 愛おしい 共通言語 なくても平気
6
『お母さんかしゃん、好き?』 毎度訊くたび うちのは 返事代わりに あくびをひとつ
10
実直な政見放送かすむ中がんばれ都民有権者達 / 都民より
10
恋という衝動よりも劣るからバウムクーヘンかじって泣いた
3
雨降りの窓辺に ねこたち 顔寄せ合い「あめだね」「そだね」「じゃばーみたいだね」
11
寝起き顔 鏡覗き込み「何?熱い!?」単に くもりどめ消し忘れてた
6
ミルクティー 甘みに溶かして 梅雨の空 雨空の向こう 晴れ渡るべし
3
ひかりが味方をしてくれずとも きみと手を取り道を拓けばいい
3
五月雨のふる江の真菰水増せばかりにも人の来ぬぞ苦しき
6
湿気ったり乾いてみたり模索する  調湿剤を私に下さい
5
新聞をVラヂオを排除して ネットで「好き」に囲まれ暮らす
2
人よりも愛情深き人がいて  流れに抗う強さ美しき
4
スマホごし君の部屋から雨の音  もうすぐこちらにその雨が来る
10
勝てば官負ければ賊よもろともに男泣きして退く田原坂
7
何度目か 「あなたはきっとこの人に恋をします」とエーアイが言う
1
遠くより静かに寄せるトレモロのブルックナーの音のさざ波
5
雨の朝渋滞酷くイライラとこんな時こそ心にゆとり
4
帰りには待ってる怖い焔魔堂行きは良い良い金毘羅参り
4
おっかさんせがれと呼んでおくんなせえ旅烏でもたった一言
5
いつもより気持ちを込めて「気をつけて」 雨煙る朝 出かけるつま
19
写真に映るのが当然のような君は私とは違う人でした
3
月と星すべてが砂になったあと岸辺で逢おう いのちになろう
3
十四の少年こそが血と柘榴について語れ神話の如く
6
大雨に 備え身支度 する朝は 雨の日に行く 遠足に似て
17
目の前の花は踏んじゃうくせにフェンス越しの花に同情する君
7
ピクピクとシトシト雨を聞きながらツンデレ猫は窓辺に集う
11
名前入り可愛いスタンプ送ってる 疲れた貴方元気になるかな
5