青空と夏に焦がるる葉桜の 手に手を取りて翔ける季節を
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夏が好ききみに聞かれてふと思う まさかお誘いそれとも妄想
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就活で 内定取った 傾聴力 仇となってる 営業現場
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「仕事する!」 意気込み入った 喫茶店 短歌だけ詠み 早4時間半
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目が覚めて 今日が休みと 理解して また目を閉じる 土曜日の朝
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猫じゃらし持って留守番子ねずみを果敢にアタック恋する小猫
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「さん付けで、呼ばないでくれ」と君が言う。嫌だね、これはある種の呪い。
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夜へ乗る、この道滑る箱の中、これはまるでそう棺桶じゃないか。
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初夏の陽にルビー散りばめられるごと躑躅つつじのつぼみ輝きて居り
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記念日が 何日なんて 忘れてた 君といる今 大切すぎて
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なにひとつ法に触れずに縦横に理非曲直を弁えぬひと
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目を閉じて夜雨の奥にかくされた顧みられぬ悲鳴をさがす
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ゆったりと 流れる雲を ゆったりと 眺めるゆとり 土曜日の午後
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ひとときの ひとり時間を 満喫で 美味しいお蕎麦 海老天頬張り
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下り坂夕陽の沈む街を背に僕はいったいどこへ行くのか
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ウニ食べたい あの時ふたりで北海道で食べたあのウニ あれじゃなきゃイヤ
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🐟魚拓で、朝獲れシラス釜揚げ、安いので買えた、おいしそ😋❗️
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誰かへの 憧れと真似 積み重ね 気付けば僕に しかない魅力
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晩御飯 おなべやおでん 頭から なくなった頃 春を見つけた
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燃えたぎる 何かの正体 探すべく ノートを武器に 旅をする今
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なにもない なんでもない日の 十五時の 陽のぬくもりを 覚えていたい
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夕焼けに 今日一日の 出来事を 思い返して 疲れ預ける
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満開の桜の中で味わうは弁当売りの釜めしうまし
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リバーブの音色が窓を開け放ち白い屋根へと降りゆく日差し
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わたしたちみなその花を何かに喩え 散る意味をこそ見出してしまう
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悠久の奈良の都は春のなか 風おだやかに 花あでやかに
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独りじめじめんのぬくみ草のいろからの体にかすかなちから
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ごつごつの桑の根っこに まばらの芽吹き 緑の生長 いのちたくまし
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目一杯遊び疲れて昼寝する 子を見つ掻き込むカップラーメン
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口にあるむき出しの骨磨くとき自分史上の学芸員だ
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