一行動三つ用事が限界だ四つ目忘れまた取り戻る
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碧き海ゆめ出帆を知らざればボトルシップの船うつくしき
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浪費家の僕が京都に住んでたら何度飛ぶのか清水の寺
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歌を詠む理由に泣けばきみの歌 環状線を回る切なき
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夜の歌が好きだ 何もない夜に意味を持たせてくれる
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別れたら生き生きしてた元夫もっと早くに告げてくれれば
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いつの日かわたしの骨がオパールに変わるとき空は何色だろう
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差し出した娘のスマホの動画には久しく見ない笑顔の夫 ( だった人)
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何者かになれた気がするけど ずっと怠惰な私が居ただけ それだけ
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このまま二度と目を覚ましたくないと 何度思ったか
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眠ったら記憶が消える障害は楽しかった日眠りを惜しむ
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また明日。ここで良いよと手を振った娘愛しくドアを閉めれぬ
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楽しくて日付け変わって気付かない気付いていても気付かれたくない
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殺しても殺してもなお生き返るゾンビのような恋心など
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立春の雪さめざめと降りをれば山は深きかまなざし深く
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どちらかが風除けになる偏りがあっても並ぶ木々になりたい
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多分、いま僕が割れたらお腹からはてなが山ほどこぼれるやろね
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そういえば、私は昔 鳥だった 空を見てふと思い出した
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できたての死体は 少し暖かい ホッカイロよりはちょっと冷たい
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「絶対ね」なんてないこと言う君と「ありがとう」って笑った僕と
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時間には循環しないでほしいので、斜めに抜ける灯籠の列
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無駄を減らせとか言うけど、祭一つやめられないのが我々であり
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藁束を飾り立てては火にくべる まさに「文化」の象徴として
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どのくらい 好きかどうかは 様々さまざまで 人とくらべること、ナンセンス
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ワイヤレスイヤホンがつあいだだけ夢をみれるの どうかこのまま
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どうせきみは私が髪を切ったとて腕を切ろうが興味はないし
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【CM】よほうみて ヒートテックに きがえさせ 湯たんぽきらう ふとんにほかろん
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食べたなら必ず苦しむわかってるそれでも食べたい激辛麻婆
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みのたけを はしらにかいて 唄にある はるごとにあった ひとの刻み目
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糞ひねり肉を喰らいて鼾かき げに恐ろしき人とふ鬼よ
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