「いいんすか、ごちそうさまっす」頭下げボロい先輩の靴を見ていた
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遠ざかる死温が忘れられなくて三十一文字みそひともじで殺生をする
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にこやかに告げるタレントボブカットこちら、シャンゼリゼ通りなんていい響き
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「ひゃっこい」とキミが言うのが好きなのでひゃっこい手をまた入れる襟元
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一つでも母の身になれ介護食小さな匙に託した願い
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文学がいらぬこゝろがほしかった 十七文字の私小説なり
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俺だけが傘さし歩く雨の街小雨だけれど耐えれないんだ
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「サボる」よりsabotageと言いましょう欠席理由は「好きを探究」
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花冷えの夜も心もぬくかりし寄り添ひぬる猫のをるゆゑ
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電子みて文庫のよさを説くように汽車みて馬のよさ説く人いたかつて
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聴いてよね傾恋的けいれんてきな二文字の音 大江戸線が吼えないうちに
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南風ふいて弥生は雨となるこらえた道の向こうには春
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解像度低い思い出話すきみ まだ思い出にできないわたし
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桜花どうせ散るなら水の上 地には落ちたくない俺だって
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きみの鼻息かと思ったその一瞬 風の姿を借りて来てくれた
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末息子 駅で見送る巣立ちの日 泣いてしまった さだまさしの『案山子』
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「マクドやろ 小さいツなんかないやんか」関西人の言い分を聞く
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あざやかな ちがほとばしるかのような 絵を描いている 戦場の彼女
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切りがいい 言い方すると ともだちだ けれどからだの関係はある
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満開の桜の脇で満開の馬酔木あせび房なり虫さへ寄らず
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若い頃 存在感が好きだった 今もうただ 華奢なモノ好き
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「いつかまた」今は会えない どうしても 君とはきっと ずっと繋がる
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依存とか 全くしてない つもりでも 安心感の 君いる気配
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本当に マスク要らない 日が来るね 買い過ぎたのを 使い切らねば
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春になり 本を読もうと 思いつき 見に付かなくて すぐ置き忘れ
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3年後 マスクも結構 慣れたけど 無いなら無いで 気持ちが良いね
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「京都には 観光客しか 居なくなる」 ありえるから今 寺巡っとく
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泥臭く 生きていくのが 好きだけど 自分の中の センスは大事
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流行は 程よくチェック していても チャラいものには 程よくアンチ
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Twitterに流れるかわいい君の推し 少し睨んでリンクを送る
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