炎天下歩いて着いた図書館でCD借りてひと寝入りせむ
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蜘蛛の巣が我が物顔の空家いえの夜 蛙の歌を蛍や聞かむ
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ラスボスが 突飛な小兵こひょう 出してきて もはや笑える しかし闘う / ラクダみたいな女王蜂
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子カラスの 巣立ち終わりの 静けさよ 朝が来たのも 気付かぬまでに
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気の利いたことはいらないあなたにはいてくれるだけそれだけでいい
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喫茶店御婦人の声よく通り回りの客も身の上を聞く
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始発、空いた席3秒ルールで逃し、nextでsit downふー😅
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今日は300%で働かないと、ボーナスに気兼ねの日笑
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夜来ると眠れないから仕方なく蛍光灯で太陽作るの
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ホームは梅雨か真夏、電車内は寒すぎ、身体追いつかない朝で覚醒
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始発まち、蒸し暑さ200%、さあ今日もがんばろうかな
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二昔ふたむかし前のマダガスカルを思ひ出し土産のシャツ着て検診に向かふ
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梅雨空の重なる雲を切り裂いて光りさす午後突き抜ける青
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読書アカ本が好きなりゃそれでいい定義なんかは必要ないのよ
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人生を止めたくなって。金星にただ咲く優しい花になろうかな。
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いつからか己の限界が決められたのか テレビのダンスを踊れなくなったとき
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傘の中 土砂降りあめの カーテンで 守られている ふたりの世界
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傘の外 雨の雫で 濡れた手を 握ってくれる 貴方が好きです
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繰り返す マークをタップしてからは どこかで期待しているじぶん
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生きるとは 祝詞もお経も宗教ならば おんなじだろう 生への崇拝
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役を待つ 夜雨の郊外電車にも 顔向けできずに 煙草を隠す
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無傷から傷を知るのが怖いから僕を演じる 君が見ている
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じっとしているじっとしてやり過ごす熊なら通り過ぎてくれるか
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ラムネならよかったのにね 本日を強制終了させる二粒
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人は皆 ないものねだって 言うけれど あるもの見て観て 素敵なものが
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するのなら「カルト」と呼ばず正当な批判がほしい「宗教二世」
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丑三つの渦の火の香に落ちる虫許してくれよ我が殺生を
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ピン倒す競技ゲームのはずに気が付けば球の速さを競う遊びだ/私のこと
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一円の玉の傷見てふと思う摩り減るばかりの我が身である
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定型が編めぬうち自由に詠つてゐる我が言葉の暴力
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