マネキンの背丈の高さに恋をするためだけに行く紳士服売り場
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薄紅の桜並木に雲低く雨と花弁はなびらともに降るなり
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悪人が こんな近くに いるなんて 友の顔して 心臓ぐさり
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心まで 取り締まられて 震撼し 窒息すれば 痙攣至極
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あの人に 指一本も 触れぬとも 好きと言ったら 不倫認定
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恥のため 身悶えすれば 苦しみを 逃れるために 悔い改めよ
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末息子 配属先の報入る とりま就職確定良かった
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川沿いに古刹と桜石の橋 地元でなけりゃ足止めたのに
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手違いでヒト科に生を受けただけコーンスネークの肌をなでる
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宝石の構造式をかたわらで説く彼はいいひと
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死ぬという感覚なんか知らないが死ぬほどゆるせないことのある雨
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心理的距離の二乗は物理的距離の五乗に反比例する
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友人を元友人にするために ひとつひとつの繋がり ブロック
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仕事とか 生活だとか お付き合い 片手間にして 雲になりたい
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元気出る 予定を何気なくくれる 男だったら 即惚れてたよ
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起きた事 全く知らない 友なのに ただそこに居て 日常くれる
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突然に 決まったお出掛け 元気出て 忙しいのに 急所知る友
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突然の 「励まして」にも 「頑張って」 適当なのに 愛が染みるぜ
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「酒煙草。買ってくれたん? あんがとう」「これぐらいなの。きみにしてやれること」
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煙草吸う十六歳は月に吐く 二十歳ハタチのわたしにもっと見せてよそういうのを
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酒煙草 未成年者のきみへ買うわたし二十歳ハタチになってよかった
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貴司くん あなたの短歌 大好きです 踏ん張れ貴司! 空舞いあがれ!
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「哲学」を 読んでも疑問は 尽きぬども 少し賢い 気分にはなる
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夢の中 なぜか不倫に なっちゃって 義娘ちゃんと マジ喧嘩した
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忙しく している友が 恨めしい アマプラ漬けの 週末の昼
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突き進む楔だとして槌が打つお尻あたりでがんばるわたし
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春なればおたまじゃくしがゆらゆらと今年もカエルは健在らしく
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解放だった。小中高の卒業は。けれど大学、きみはさみしい。
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今はまだ 電話に出れぬ 君想い 早く終われと 時計を見てる
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学校に行きたいって思うこと。これまで無かった。いまは違うの。
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