すぐに散るコスパの悪い桜より サステナブルな何かの方が
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紙芝居 ぼんたん飴と 散歩道 あの日から来た 今日のやさしさ
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幾晩も算数セット名前付け 二人でやるって言ったじゃないか
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大量のオムツに判を押し当てて擦れた所なぞり書きする
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コロナやら色々あってうまく消え 奢る与党の桜をみる会
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「ありがとう」って素直に言えないから「好きだ」ってことも言えないのかな
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俺はただひとの幸福眺めては酢い葡萄さとやさぐれるだけ
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大井川水面みのもに消えぬ白雪は嵐の山の桜なりけり
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咲きなばと契りし人はつれなくて花をあるじと訪ふ嵐かな
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散らぬ間に人の訪へかしわが宿の桜の枝に風は吹きつつ
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七夕に宿かりころも日も暮れぬ花の吹雪の天野川風
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夕焼けの中まぶしげに吾を見る子犬にエサを一つ与へぬ
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気がつけば子供ら女房われもまた右手で箸を使って食べる
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宇治川に流るる花を澪としてさす手も香る春の柴舟
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浦風の花の梢に通ひ来て空に波立つ志賀の山越
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下の子が早く寝たので即席のカードで遊ぶ親子三人
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キッチンの 片付けやっつける前の 動き出すのが いつも億劫
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絹さやと グリンピースが 同じ事 全く知らず ここまで生きた
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嗅覚は 憶えていたのね ふと香る 香水が施錠してた 記憶引き出す
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帰り際「なんもなかけど…」仏壇の蜜柑をくれる人の温かさ
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訪問看護師ほうかんは手折りし桜と共に来る最期の春を共に愛でたり
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君が着たシャツに似てるデザインを横目でチラリ間違い探す
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すこしだけ窮屈になった詰襟の黒に一枚映える花びら
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パタパタと俺の邪心を裏返し真白にするねオセロ上手いね
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ベランダで鳥がさえずるのをじっと窓辺で見つつ猫ナナッと鳴く
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我慢した今のくしゃみがどれほどに世界を変えた因果のほとり
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浮きもせず沈みもせずに沈めても柔に抵抗する不気味さよ
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夏草を押し潰した青が染み込んだ 細い糸 束ね 布を編めよ
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要するに選択肢が限られていた環境依存の感動だった
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並ばせて大声を出させたりする自治体主催の啓発セミナー
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