「好きな歌だから一人で歌います。周りに誰もいない所で。」
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今さっきここに居るよと言い残し疎開したけど戻れないのに
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割れて壊れたばあちゃんのフォトスタンドに入っていた二千円札
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ふと見ると 花壇から芽が 顔を出し 成長と期待 新学期前に
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えびせんの中毒性に似た君の笑顔を今日も探してしまう
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まえ未来みらいにむかってはしせ エールおくるよきみにサチアレ!!
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詠むことが趣味の元彼に導かれ再びここにきてみたりする
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人々が舞台に上がっていく 僕は観客席にいるずっとずっと
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にきび避けつつ剃刀をあてていく共感だけの会話で終わる
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教室クラスでは息することもままならず最適解も判らずにいる
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あの月が満ちたる後の聖日は四十三回目の受洗記念日
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戯れで鳴き交わすうち先方がこちらの下手を覚えたらしく
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まっしろなかわいいうさちゃん手を振って見送る彼の背に手をあてて
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春の風重たいものはスルーしてタンポポ綿毛にそよと吹きかけ 
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抑えれば 何か変だろ 別人が 生きているよな そんな感覚
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淋しくて土手で飛ばせば一粒の涙のかたちを描くブーメラン
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星空はおそらく神のチェス盤で動かす駒が流星になる
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幸せな人しか来ないと思ってたケーキ売り場で怒鳴られている
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ひとかけのルウをカップに落としたら味変できるミネストローネ
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丸刈りに黒いマスクの小学生そとから見ればなんかネオナチ
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南極の吹雪を思う「さみしい」が春の隙間にさくりと刺さる
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カーテンが風に煽られ空隠す見えるものだけ見ようとするな
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暗闇に迷路が一つ春の空遥か向こうもまた春の空
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濁流がともしびを消す野うさぎが胸の荒野を消え去っていく
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赤い口、赤い口って言いながらずっと走って星になりたい
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番組の最後の回を聴きたくて遠回りして会社に帰る
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振らないで 彼女はあなたに 言うけれど もう愛はない 分かってるんだろ
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いらぬときあちこちにいているときは どこにもいない増えるスケール
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遠くまで 用事があると言い放ち 二度と帰らなかった 男は疎まし
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遠くまで来てしまったよ後方のオニが到底触れられぬ位置
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