山々の 隙間から湧く 白雲は 悲心ひしんつづる 付箋ふせんの様で
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「負けたことある」ことに怯えるよりも「踏み出せたこと」それを誇ろう
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チャリ置き場 置いて歩いた やるせ無さ みてみぬ周りと 君と笑顔と
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我が母は亡母憎しと言ひけれどカーネーションを白く供えぬ
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「こうです」と言われ「そうだ」と応じると知らんくせにといつも怒られ
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つけっぱなしのテレビと強い日差し 殺したい奴が多い夏の日
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靫草うつぼくさ 枯れにし頃に菖蒲あやめき 半夏はんげしやうじて田植たうゑはる
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ひと目でも逢えますように 彦星に吾を運んで 夜空の舟よ
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正義と言う名の虐殺もあるらしい 地の底に沈む狼が笑う
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本屋には毎日行きたい置き場さえあればの話だから週一
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今さら酒のせいにした 小学生から狂っている君
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真冬ではもう薄暗い午後四時の この明るさが嬉しい季節
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聖蝶ひじりちょう音もなく舞い漸増し闇独り行く少女きみを守護する
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気がつけば愛犬入れて子等三人 同じカッコでお昼寝タイム
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薄ピンク頬を赤らめ君が来るこの庭の薔薇全てあげるよ
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バズってる風景写真が美しい 加工を疑う僕が寂しい
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独りでは生きにくくなる世の中で 流水麺は二人分入り
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古の歌人の反故紙覗きたし 没歌ならむ呻吟のあと
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付き合ってほしいと言われ 舞い上がり やめておきなと言う友達たち
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桃色の かさぶたとれて 胸痛む あなたを忘れることできない
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どうですか 良いとこでしょう? この街で、あなたと共に暮らしたかった
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いまここで降りたら二度と帰れない各駅停車闇に停車し
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拙くも短歌うた詠み季節ひと巡り ここから先もぼちぼちゆるゆる /Utakataみなさまに感謝
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シンクロ寝 ねこたちとても なかよしね シッポの角度が唯一惜しい(笑)
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エアマックスに慣れた俺の両足が「革靴は嫌だ」と主張する朝
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びん掻けば生の証左が舞い落つる床にて処方箋くすりのききめを祈り
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常夏の国から君のラブレター 海の写真で十分わかる
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何本の映画を観れるかで測る 帰宅してから寝るまでの時間
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亡き友のFacebookに残ってる削除できない友達申請
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睡眠時無呼吸症候群のこと見つけてくれた呼吸器内科
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