万世に動くことなき高御座定めたまひし神代をぞ思ふ
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雲居まで千木ちぎ高知たかしリて橿原の宮の昔に帰る春かな
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三連休、ドラえもんに送られて小田急電車はどこでもドアに/登戸駅から乗車
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冬の夜にテレビ映るは鼻高き敗者評する勝者然のみ
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ちらほらと恥じらうごとく咲く花を空の余白に指で数える
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朝まだき 玄関マットを パパパパパーン もやとばせば 滑り止めの砂
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風呂あがり衣服のなくて騒ぐ夢 待つ旧友は雪の道去る
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一日のほとんど過ごす脳トレで 九十五歳の筆箱の厚み
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体操の首回しして音のする レントゲンの目で我を見透かす
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抱き締めて話すことなき思い出を 広げてみたい深夜二時頃
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誘われて行くコンサート チャリティーの 少し地味目の爪の色にす
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夢で会う亡き父の手の温かさ 触ろうとして触りもできず
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朝焼けの午前六時の風に居て 散る時見たい満開のはな
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心読む いや読めないな 思い交錯 目で追う言霊ことだま
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さばさばとした女性ひとだからあの男性ひと紹介したのとねちねち言う人
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あさまだ来 よばれおきるも なにもなく 脳内音楽 テレサテン (まどに 西っ日が〜♫)
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愛しさも 怒り、哀しみ 降り積もり 儚き雪と 解けて消えされ
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雪の庭あゆめば下からたくましくグランドカバーの新葉たちゐる
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(なにごとも)深夜はメンヘラ製造機(口にするから欲しくなるのだ)
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もう3時 書けないES絶望感 全てを毛布が 包み込んで寝る
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忘れちゃったね 出会った頃~捨て台詞まで 5年って感情まで消せるんだね
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思春期は「朝あしたは来るか」と怯えてた 明日もきっと生きてる私
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眠る前 かろうじて読めるのは詩か歌 SFは無理 2文字だから
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イヤホンで 音楽を聴く 片付かない書類眺めて 朝が来る
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何もかも なかったように過ぎていく 知らない土地で花が散りゆく
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目的の違うハサミをおとうとは同じかみなんだからとかざす
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ことさらに矯正された記憶もなく持ち手を向けて手渡していた
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同列にされてばかりで天才のように研ぎあげられた鋏も
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二百万都市のど真ん中ぽっかりと雪の農場 道がいっぽん
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ポンコツであればあるほど愛される、それは道具も人も同じや
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