春がまた来たのか 電話ボックスの跡地でわすれな草がそよぐ・
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天の河で背泳ぎしながら思い出す きみの言葉を ぼくの言葉を・
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嘘みたいなうすべに色の朝焼けを見上げるぼくが嘘のようです・
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またバックミラーに青い鳥たちが映ってて振り返りたくなる・
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「たそがれの4番線にまいります列車はすこし泣いております」・
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ワイパーと雨のリズムがずれてゆく ゆがんだ街に取り残される
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夕空に飛び立つ図鑑の鳥たちを追いかけもせずにねむってしまった・
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少年は美術館から赤を盗む ぼやけた今を塗りつぶすため・
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ねえぼくら何を待ってるんだっけ?何度もバスを見送ってまだ・
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地下通路5番出口のその先の喧騒はだれの夢ですか?・
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散ればまた見むため惜しき命かな花ゆゑ入りし山ならねども
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心電図・エコ・レントゲン・CTも異常は見えぬ?治ってないが
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自動車の走り去るたび花びらが歩道の上に吹きあがり来る
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鋪道に散り敷いた花びらがつむじ風にくるくる廻る
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梅の実の去年は生らず梅の木の花より団子梅の花数
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祖母と母呆けてしまった父親は死んでしまった生きてゆこうか
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収穫は可能だろかと天空に無邪気に群れる梅の花見る
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帰宅して角煮で一杯やって寝る しみしみ大根まじでたまらん
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うらやむな我は地に咲くさくら草うつむく人の足元で咲く
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新人が 入ってきけど 心配だ 自分よりも すごいのではないかと
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よくわからん 話を聞いても よくわからん ただ立体的な構造化力は 重要だと知る
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人離れ 退職理由は ひとそれぞれ 人のふり見て 我がふり直せ
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好きだから手首に指を触れさせて 脈打つ 君も生きてるんだね
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最終の電車に駆ける耳元にロンドンデリーの唄しめやかに
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戻らない時間の中で春などが繰り返すように見える不具合
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春だからといって安易に咲くなよと言っても通じる桜ではない
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はなぐはし桜眺めて滲む涙降りゆく花びら亡き骸埋めよ人を想う祈りも呪いも紙一重 終わった思い出覆い隠してよ
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母として先輩としてうるわしき「心」キレイに掃除をされる
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皆同じ 紙袋持ち 桜の下 某ハンバーガー 頬張りながら
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窓を開け屋根に登って叫びたいみんな来るかな君も来るかな
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