ミャクミャクの託宣があり二年後に奴らを祀る祝祭をする
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年一回検査のために採血と、あれ?満たされぬ紙コップの中
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先生と話し込んでる妻来ない 年長生に愚痴を聞かされ
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お着換えに過去最大の抵抗で入園式はうち待ちでした
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今わかる子育て奮闘真っ最中 あの日々それが幸せだったと
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このやまい「一生つきあう」決めた夜 つきあうんだったらキミがよかった
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「もう来るなよ」最後の言葉忘れたい 消しゴム使って消せたらいいのに
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顔を上げ天を仰いで目を閉じて 果てなき空のふところ触る
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デデポッポ ユーモラスかな 山鳩の鳴き声真似て急登を行く
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あの人と話すといつも肩見てる目が合ったら石になるから
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スイカに塩をかけて食べるように真逆だけれど合う私たち
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言葉のキャッチボールに失敗しあの日のボールは見つからないまま
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血深泥に憎しみあって死をかわす犬といぬのどちらに賭けたい?
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急かされてタイマーを止め火を止めぬことはよくある応用すべし
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チェンソーで月をふたつに裂くように憂いも恐怖も食べてよヒーロー
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冬物の上着洗って良いのやら5月陽気の桜散る頃
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浮かんでは床を疾駆す綿埃追えば追うほど遥か彼方に
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追っかけて追っかけてくれ座り込み追われてないと動けないから
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寝付きには効かなくはない呼吸法息止まるまで吐ききれば即
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若者に人気あるのは一過性桜蕊さくらしべふる路地の稲荷社
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嘘をつくキミの言葉に気づけども 騙されて聞く私も嘘つき
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夢だって知っていたのにぼくたちは花を植えては水をあげてた・
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「シリウスとベテルギウスとなんだっけ?」スマートフォンがまつげを照らす・
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大輪の花火をひとつ押し花に 夜が明けても消えないように
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痛みだと気づかなかった 屋上できみが放った流星群は・
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終電の流れる夜景と重なってぼくら点いたり消えたりしてる・
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なんの塔だかわからない塔の上でカラスが鳴いて飛んで、秋空・
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この秋の向こうの秋できみはぼくの知らない本を読んでいるのか・
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「じゃあきみはまっすぐになれるとしたらまっすぐになりたいと思うの?」
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あんなにもつよい気持ちも写真にはうつってないよ、笑ってるだけ
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