雨粒の素数に捨てた開口のあめんぼあかいな あ 嗚呼嗚呼
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米炊いておかずも作る君を見て 私子育て大成功だなって
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短歌うた詠みもおのれの気分で右往左往と 今日の振り幅丁度のとこか
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遅れ薔薇気にもされずに雨風も 灼熱にも耐え凛として咲く
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かき氷 甘いシロップ 最初だけ  淡いイチゴの恋よ切ない
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爪を切るわずかな時間のベランダで夏が来たんだと実感している
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還るとはいつかの夏か給水塔星の遠近おちこち頬でねだって
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君帰り隔離部屋から顔を出す ねえねえ早く雀魂じゃんたまやろう
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目も合わない LINEもこないし もう無理か 脈がなさすぎて死にそうですが
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好きだって だけで罰を 与えすぎ 勘弁してよ 恋の神様
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『好きなんだ』何回言っても 届かない どころか声に 出せやしないの
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倫理の教科書でソクラテスが死んだ コーヒーの氷の溶ける音
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見たいけど怖くて見れず父の背に 隠れて覗く「鬼滅の刃」
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無い春をあるあるあったと消費して振り返っても何も残らず
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一票の意味問いながら名をしるす表記見直し二度三度四度
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お元気ですか、に笑って返事出来ない そんな人よ、どうかお元気で。
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桜待ち 寒戻る頃 蒔いた種 今年も美味うまい 「かぼちゃ」となりて
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自念する虚実の隘路鑑あいろかんがみて生死以外は無起であること
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エキバンの 乾くのを待つ そのあいだ ねこのつけた傷 じっと眺める(のびー、ぷすっ)
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オレンヂの 浴衣纏わむ 四つつ目の このまま乗れたら 楽に死ぬるかな
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世界から隔絶された揺籃ゆりかごで、ホコリと毛布にくるまり死にたい
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帰りの電車で、うたかたを誦じ、うたたねこっくり、しあわせかな
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どこかで 寝付けない声 空に響き 暗い窓覗いて 孤独を甘やかす
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あーあつい、蒸し風呂のごとき、から梅雨、自然のサウナかな
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晴れが来て 濡れた黒色 輝きだす いつまでたっても 記憶は乾かぬ
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遅過ぎた それでも気付かぬよりはいい 今から残りを生き直すだけ
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雑草ざっそうと いたたねかな どっちだろ 見分みわけつくまで ともに水やり
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日に焼けた素肌をなぞり楽になる引きこもりではないんだ私
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今年はねアイス手作りしています初めてのことあると幸せ
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大胆に言わせてもらえば昭和とは「せんだみつおがウケてた時代」
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