メンソールのカプセル潰すその音で君の気配を少し感じる
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ブランコで二人語らった夜中の思い出だけがまだ揺れている
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くだらないインターネットに気を取られ湯船に歌が溶け残ってる
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君が去り 棄てた子のこと 思い出す 生きつづけるよ 俺の壊心こころ
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小さくて統計上は数に入らない こんなに美しいのに・
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お返しのお返しのお返しとしてもらったみどり色の鉱石・
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雨がやむのもきみからの返信がくるのも同じ仕組みなのかも
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風あざみ ぼくがまだはっきりぼくじゃないころから手に取れずに、今も・
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嘘になりそうで捨てた言葉はこんなにも赤い曼珠沙華・
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そりゃぼくにだって情熱はあるよ、って彼は静かに炎をはいた・
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ニヒリスト気取ってるきみがパンケーキほおばるときに世界は鮮やか
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情動がうさぎとなって駆け出して転んだときにできたクレーター・
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シャンプーを泡立てている午前二時のアイデンティティが水にとけだす・
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音楽をおすすめされた音楽は聞くのに気力体力がいる
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彼女への 好きな思いが 消せなくて 抑えてもなお 溢れ溺れる
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名探偵がついた嘘『すべてわかった 犯人はこの中にいる』
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「ごめんねと」 君に言ってた ことば囈言うそ 独りになって 君に謝るごめんね
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馴れ初めを聞かれためらう事もなく娘に話す時の刹那よ
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君にとり楽しいことってなんだろう例えば僕との会話なんかは
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盛春せいしゅんを一ペィジずつ舞い散らす 次の桜にまた思い出す
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湯煎したチョコに記憶を練りこんでひとくち味見し砂糖を追加
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銀河系 の端っこ住んでる宇宙人 ぼくの隣に引っ越しませんか
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ふれることふれられぬこと花びらの今も昔もかの山ざくら
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ため息と 共に浸かりし 湯船では タイル目地なぞり 阿弥陀くじあみだしてみる
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ときめきは嗜好品ですなくたって 生きてはいけるはずだったのに
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様々に形を変える水流は世渡り上手の術を語る
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歌詞なぞり仕事を恋に見立てつつ 桃の足取り新しい恋
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笹鳴りの風はしずかに花散らす 夏のふりして春急きたてる
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水割りだ、ロックを頼んだはずなのにいやこれロックだめっちゃ味する
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栩栩然と夢と現を飛びまわり身体の量子性を高める
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