おつまみとビールの気分になれなくて 雪見だいふくハートのいちご
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陽炎は現実にない煌めきね追っていたのは陽炎の夢
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鴬の鳴く梅が枝に降る雪を羽風に散れる花かとぞ見る
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悪い人になりきれないな一人だけ青信号を待っている夜
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別れると言うのがちょっと遅くない? チョコ教室に行って来ちゃった
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うるう年 一日多い でもいいさ 今年は二回も、三連休
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自転車のカバーは付けたままで良い? 蟷螂母の意向聞きたい
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自転車の籠に蟷螂卵あり ちょっと動揺 予定日はいつ
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桜木の 枝影侘しき鳥の巣で 春見る景色 羨んでいる
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願わくば花の下にて春死なん 君のもとには行けないのなら
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雪灯の路を君と歩くとき八百ルーメン光ってみえる
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病院に季節彩る花はなく借景の如く山際立ちぬ
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恋すればかくも生きたし冬の駅時刻表まだありて見に行く
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ギモーヴとマシュマロの差はどこにあるそれは砂糖の甘やかし方
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子が眠り一人桜木紫乃を読む夜の時間は湿り気増して
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つまさき で てんじょう を さす ひだり あし みぎ あし ふらふら き み が き ら い
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夜が来て朝が来るだけ繰り返し繰り返しただ繰り返すだけ
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暖かき布団に入りて能登のこと思えばなおも心の痛む
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本日の スマイル全て売り切れです またの入荷をお待ち下さい
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我が推しが演じる王子に恋をして私は姫になりきっている
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子猫用ミルクだけ飲み育つ猫 缶の中身で猫はできてる
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枯れ枝の 如き足して 真っ白で 九十歳も 歩行訓練
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三日前に焼いたいわしの残り香が恨めしげなる我がいおりかな
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ゆっくりと 寝ていられない 自主練の 進み具合を 見に来る担当医いし
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雪明かり一夜の夢となりにけり 筋肉痛のみ我に残して
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よく詠めたと思えば脱字わたしってこんくらいだな 未来のサイン
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此の雨に時の過ぎつつ止みたれば 母さん虹だから見てくれろ
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雪景に「ぼとり」落つ赫 華の赫 國を憂いて忘我 血振いす
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ほぼ枯れしマーガレツトを惜しみつつ もぎて伸び来る蕾見ゆるし
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「それは僕のナポリタン用タバスコで、君のサンドは既に辛いよ」
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