あたかも私という衣をぬぎ捨てて精神という鏡を見たい
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今日がまだ死なないように目を開けて延命措置を施している
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顔を寄せ小さいフォントで咲いている花にピントを合わせる石段
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君の笑顔かお ずっとみてない気がしてた 桜のシャドウ すごく綺麗だ
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春の末 青に舞い散る桃の雨 それ観る眼は葉桜の色
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目覚ましを止めた左脳が起きようとしても右脳が二度寝を選ぶ
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あの人に逢いたくなるよな春日和はるびより「幸せでいてね」とココロで想う
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…ごめんね。洗濯してしまいました 君からの永遠の誓いを
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水堀や 花に競へる 稚児の歩み 進めや進め それまた一歩
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捨ててったごみ一つすら愛おしいちゃんと食べてねちゃんと生きてね
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「がんばれ」と 君を励ます俺の声 そう云いながら 自分を励ます 
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古文書を読み解くような気持ちで呼ぶ 午前二時に君の名前を
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西洋にかぶれぬカラスが鳴いたとき、やっぱり泣いていいじゃないって。
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地下鉄に乗り間違えて飛び込んだバスであの地名の読みを知る
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ぱらぱらと ちっているのは なんのたね 執着とせいよく われらは子孫
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電車にてパソコンなどを広げをるかういふ者を馬鹿たれと云ふ
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捕まりて宇宙人らに洗脳をされゐる気分MRI
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伸びた足の爪を切るなにか一仕事やり終えた気分
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「くわばら」や「つるかめ」まじないつぶやいて不安を其処そこに置いて行くかな
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茶トラ猫 現行犯で 逮捕します 玄関開けると 袋ズタズタ
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キミのこと想ってばかり切ない日 詠むことはじめココロ安らぐ
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分かってる好きになるほどつらくなる つらさもかかえまるごと愛す
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明けぬれば夜来の雨は雪化粧あのカタクリも埋もれていよう
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暗やみで 卵産むだけ あたえられ 助けてくれぬか 白い防護服 /
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「元気だね」「そうでもないよ」交わしあう朝の散歩のそうでもない我
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逢いたいと 顔をみたいと思えども 会う理由など 君にはなくて
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春時雨濁る水路を夫婦鴨大事にせえよ声に出しけり
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「忘れ去るよりも憎んで」なんて言う強がりな君 叶えてあげない
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堆積の中を泳いで発掘は怠惰の記憶さらけ出す列
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襲撃もなんとはなしに違和感もなくやっぱりと見ているテレビ
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