初釣果好みの二尾を下げ帰る君に褒美のバター焼き並べ
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仏壇に 手を合わせては 問いかける 生まれた意味と 生きていく意味
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腰痛はがんばりの証し定番のしっぷ薬へ夫の出番
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めくるめく 夏の匂いに 誘われて ひと足先に サンダルを履く
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抱きしめる 溺れそうだと君は言う その時俺は限りなく水
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教えてよ 目は口ほどに、と 言うけれど 私の目は なんて言ってる?
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待つ時はぬるりぬるりと進む針 あなたのそばでは何故に素早い
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寝ころんで けたたましくも 泣くこども 生命力が満ちていますな
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掃除機をかけると決めて早5日 かけるかけるよ埃に急かされ
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悲しみを集めて流る涙川桜の花の薄白の散る
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おこったらまけだとさとすおとなたちみんななぐってだまらせたいな
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穀雨の候、コンクリートの隙間から逞しく立ちて咲く雑草くさもあり
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世の中が浮かれ気分の週末に 独りで飲んでるビールは苦い
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愛犬のトリミングはもうお手のもの 夫の散髪鍛えた腕で
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花筏ゆるり揺蕩う約束を果たせなかった町の外縁
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気にさわる? それなら私は気配消し おとなの対応 丸くおさめる
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親離れ『ギャリギャリ』『がんがん』口内で 始まり終わらぬ突貫工事
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どれだけ時があったとて どれだけそれに病まれても 短歌は私を攫ってく
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嘘でいい 僕を好きだと 言ってくれ 君の応えは 「大好き」だった
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生きるという この悪夢から 逃れたい この現実が 嘘であるなら
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心とか 意識とかって 自分なのに 何故なぜコントロール 出来ないのだろう?
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ぼくはただ HNはんどるねーむを さけぶだけ ホントの名前を 知らないからね
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オッドアイ白猫写真みて涙 長女猫あのこの遠い面影さがし
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藤娘 ゆらりゆらりと かんざしよ 爽やかな舞い 初夏の風はこぶ
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泣くのなら 泣くだけ鳴こう ホトトギス 渇いた跡は 晴れると信じて
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春キャベツ やわらかくって千切れやすくて もみくちゃの私の芯
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赤く咲く 夢花ゆめか やるせなく 水筒煎じ 紅葉随時
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すごいよね!知らない人とも会話する 日課の散歩よろける犬と
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行く末はみられなくてもいいからさ いまだけ腕で眠ってほしい
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おかえりを言えるよろこび ただいまを伝えるしあわせ 家族とわたし
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