自慢屋の彼女の会話は退屈で「ハ行」で相槌外は快晴
7
風邪のときすきだったもの りんごうさぎ 冷えピタ 三十六度の手のひら
4
うらやましい迷う余裕のあることが壁迫り来る一本道だ
3
春の風 釣り竿しならせ遠くから 祭囃子まつりばやしの音を運ぶ
2
おすすめユーザーの昔のクラスメイトをブロックして成り立つ青春
1
「なぞなぞを出してよ」吾子よ なぜ君は 登校せぬのか? それが謎謎
4
納豆はいいね 元カノあたしよりも粘着質なのに愛されててさ
5
坂道でおぶってくれる人よりも分かれ道でも手を離さぬ人
2
わざと「ん」で終わらすしりとりのように勝手に恋を終わらせた人
16
「とりあえずビール頂戴」穴埋めに呼ばれた我も“とりあえず”居る
6
混雑の極みマックのイートイン ポテト揚げたて、あとナゲットも
1
常連じゃないのにどこか懐かしい 日焼けした紙「カツ丼」の文字
4
辛味とは怒りの力 この日々を私はずっとやり過ごしてる
1
嫉妬という文字には女が二人いる 私と貴方の元彼女である
7
当然のように夜は来るし冬は寒いし君は隣にいないし
4
居場所無く 無力で惨めな 中学校はこの中 よく頑張ったよね 十五の私
3
マスカラもアイシャドウも落ちるじゃん なんで今更引き止めに来たの
1
火傷して爛れたはずの皮膚だけど撫でる指のやさしさはわかるよ
1
プラマイをゼロにしていけ奴なんて人間八十年では誤差だ
1
好きだってこころを祀れないうちは結ばれる日はほんとに来ない
1
そのために やっぱりお金 要るのよね あとしばらくは パート頑張ろ
3
お金では 買えないもので 楽しもう 一人の時間 人との時間    つづく
1
僕と君が進むこの先は君の頭上にだけ暗い雲
0
辛いのは別れじゃなくて 好きだった君が泣いてしまうからなんだ
1
随分と歩いたものだと振り返る まだこれだけか朝の砂浜
1
テキーラの残る朝焼け生ゴミのようだ痩せてゆく身体は
2
宛先のない愛してるコーヒーの冷め切った水面みなも
2
人類がすべてのハンドスピナーを手放したとき扉はひらく
2
あたかも私という衣をぬぎ捨てて精神という鏡を見たい
2
今日がまだ死なないように目を開けて延命措置を施している
9