未来あすの日を 期待するから 先の分 取り置きしたり 約束したり
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半額の 冬物靴下 即購入 腐らないし、と  つい手を出して
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お日様と乾いた風に当てられて布団ほっこり幸せの匂い
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杏子色あんずいろまとう少女が笑ってるような毒草 ナガミヒナゲシ
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もう終わろ、うははぽよぽよももももももぴえんえっまだ終わりませんか?
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のんびりと おやつまってる チビ猫と うろうろちょろちょろ せわしい ちま猫
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足裏に 踏みしめた草 青々と きみの強さを 羨んでいた
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春一番吹かれて泳ぐ鯉の群れ落ちた花びら水面みなもを飾る
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何年も過ごした日々の思い出はとても素敵な牢獄だった
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四十五億のきせきを編んだものがたり だれかのひかりであるということ
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蝶のはねかるくなったわたしをのせてどこまでもゆける 自由なままで
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目が覚めて 寝坊したかと思いきや いやまだ朝だ また夏が来た
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カリカリと猫の咀嚼音だけを聴き 頭空っぽで大の字の至福
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降りそそぐひかりひとつぶ 窓枠にあたりこまかな宝石のよう
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東西線通勤ラッシュの乗客はみんな一つの大きな筋肉
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やる事はいくらでもある平日休 やる気スイッチ見当たらなくて
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静寂を不思議な音で切り裂いた君の放った「またね」の響き
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あのリング 欲しいと母言い 即買った 指輪じゃないの クールネックリング(熱中症こわい)
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トランプの 金髪の謎を解く者に 世界の謎を そっと耳打ち 
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何者かになれなかった僕のまま 裸足のままでどこまで行こう
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すべきことふと思いつき立ち上がり廊下を渡りあれっ何だっけ
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いつまでも勿体ぶっているうちに春はもう夏に追い越されそう
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深呼吸してみようかな 外は晴れ この身の浮かぬ気分も晴れたき
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ネコ亜目ネコ科ネコ亜科‥舌噛みそ(笑)イエネコの意味は家猫じゃないのね
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雨粒が雨樋奏者となった夜 隣の寝息とデュエットでデビュー
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米を研ぎ 氷を入れてスイッチオン 泣くほどうまいご飯が炊ける
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歩いても歩いても月には着かずうさぎよ君に願い届けて
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呪いじゃない 君に伝えた 死にたいも 愛を知ったから 焚べた燈
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値ではなく 食品ロスを減らすため 見切り品から優先し買う
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読みたくて一年迷って「てにをは」をあと半月を楽しみに待つ
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