今日もまた返信ないかとポスト見る 誰にも手紙を書いてないのに
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泣くことが 許されるなら あの土手で キミに抱かれて 鳴いて果てたい
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今までの 重ねた罪が 罰となり こころに刺さる 刑期を全う
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不確かな 予測不能な この中で きみとの未来を 想う気持ちは確か
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追試行く友を見送る シャーペンで今度こそ単位を狩って来い
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ふりかえるふりかえるふりかえるふりかえるふりからふりかえるふり
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春と秋ほとんど無いから出番無しクローゼットのライトアウター
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その芸はやめておきなと出目金はしずかに睨む人間ポンプ
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命の消えかけし過去思い起こし感謝に堪えぬ再雇用更新
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前髪にアイロンを通して櫛で梳く 揃ったそれは鎧に似ている
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いまさらに 切手の値上げに気づけども 君の便りは相も変わらず
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居なくてもいい生き物を乗せ船は浮かび続ける朽ちるときまで
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自分に嘘をついたまま踏み出した足と心はいつでも痛む
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眠い朝 今日から早く寝ると誓い 毎朝同じ誓いは続く
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人肌が 恋しい冬と 春のは どうにも君に 近づきたくて
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落ちていく こころが堕ちて 闇深く もう戻れないの? ただ抱きしめて
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かすかでも寒さ戻ると分かったら 布団の中で小さく耐える
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手折られた冬の形見の水仙を窓辺へ 春の迷わぬように
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自己愛を削ぎ落とされた肉体は適正よりも10キロ軽い
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帰りは始発、すわれてぐっすり、あーしんだよーに
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幾重にも遠山あおく 如月きさらぎうららにまぶし冠雪の富士
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ピッチャーの網目を通り抜けてきたちびちゃい氷のいるプラコップ
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頭重く ねこが来ないかとうたた寝す そんな日にかぎり ねこも寝こけて
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今日は暖かくていいなぁ こんな日は海を見に行きたいと心から思う
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真っ直ぐに 走り続ける 友の居り 陽の傾きも 気付かぬままに
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もふもふで足が四本あればワンワンそうねネコともいうんだよ
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正解は?誰に聞いたら分かります? そもそも答えがあるのでしょうか
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短歌うたっちゃえその軽やかさ大好きで 心のモヤが晴れてゆくゆく
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神様はきっといるって信じてる たとあとづけだったとしても
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物事に優先順位つけるのは やめたくなったあの日あの時
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