終わりなどありふれていて必然で何時になるのかわからないもの
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他生徒の「模範」だってさ。食べかけの弁当でさえ腐らす私が。
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すするとき、手首の相棒 不在中。髪を結べず、一緒に食べる。
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こわがりで「ずっと好き」とは言えずとも 幸せ願う気持ちは永遠とわ
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変わらない温度のままの指先で 「ばかだったな」と言われたかった
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肉体がこころのサイズと合ってきてすこし表皮が余ってきてさ
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富士の山 疲れ忘るる 威厳あり 吉原に急ぐ 旅人の脚
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歌うなら できる限りの 出鱈目を 三分間だけ 独裁者になる
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この歌を 聴いた奴は 絶対に 死ぬらしいよ 百年以内に
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もし僕が明日死んだらどうしよう きみの涙は何色だろう
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初々しうれしはずかし初短歌はつうたを誰に告るかもじもじののじ
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キャンバスに 足跡つけて 君想ふ 指でなぞれば 温もり感ず
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演出が 熱いと君が 言ったから 7月7日は パチンコ記念日
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食卓の摘み菜の緑冴え冴えし畑に残さる黄花も笑まう
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春を探しに出かけてみよう いつもより歩いた先にトランプが来る
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うたかたに気持ちの分かる歌あれば グループラインで拍手のスタンプ押すが如し
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旅の空羨ましくも帰るなり雲居のよそに聞きしかりがね
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コットンの細糸で編むピアノカバー老眼鏡めがねの度数コンマ5上げて
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一日中マスクをしてると寒くない花粉が運ぶ春の体感
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紅梅こうばいが好きだ」と私は繰り返す。呪いのように、季節は巡る。
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胸を打つこの衝動に動かされ裾をまくった この板の上
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永久歯くらいに深く食い込んでいたいしたまには苦しめたい
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長い冬 春告鳥が 連れ去って 私の頬は ピンクに染まる
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指差した光の先にいる君が今日は笑顔で過ごせるように
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一粒の君の涙が瞬間ときを止めふたりの糸がほつれるからまる
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庄屋敷 蔵の白壁 描かれし 雨水作なる 雲龍ぞ棲む
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今回でアプリのマリモを枯らすのは 4回目なので実物はやめとく
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お手軽に 教えてくれるよ AIが 示される道は 闇か光か
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無意識に死なないっておもってる つぼみの多い桜の枝買って
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四つ足で はしゃぎ駆けるよ 花の丘 嬉し振り撒く しょんべべべん
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