今まではマスクで見えなかった顔 いま目の前でビール飲んでる
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うんどうは およそ時間 tの かんすうで 時間 tは連続 してるのだろか
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バリバリと働く理想 噛み砕き 底辺リーマン出勤準備
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動詞の数ふたつくらいに絞りたくここで使える形容詞はなに
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聞いたならすぐに返事が来る液晶スマホポストは真っ赤に照れているのに
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知らぬ地で知り合いの顔で立っているファミレスを見て安堵してしまい
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誰にでも思い出となる曲があり 想い出したる人がいる
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若者の 作る短歌に 感動し 自分もやるぞ 六十四歳
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ささくれはパートナーとの関係性って女性誌がいうクリームを塗る
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あなたの細い手首をしめる手錠 だれにも見せない一面を知れ
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小説や映画みたいな恋もなくあるのはスマホと重たい身体
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熟れてゆく梅の実鼻に近づけて夏の空気を肺に詰め込む
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あの頃のふたりにはもう戻れない けれど今を愛していたい
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ただ一度の引用で救われたるや書き散らしたる論文ひとつ
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原宿で子猫さがしの昼下がり浮世絵展で君を見つけつ
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履歴書の空白を見て息を吐く 広い社会を知る日はもうすぐ
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戦過ぎ夏は来にける原宿のすれ違う顔マスクなき人
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城ヶ島、海波風つよし、はるか富士の山
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何もない、やる気が出ない 月曜の 朝に塊まる 唸る蟲けら
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七星の てんとう虫が 我が胸に はね休めるを 孫と楽しむ
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閃いた アイデアメモし ほくそ笑む 作家魂 コズミックバン
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寂しいし しんどいけれど 君よかましだ だから負けるな 男魅せろや
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親介護、妊娠初期の状況を 思いやろうよ 好きだからこそ
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蟻地獄 どうしようもないクズなのに体の相性だけが最高
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時間差で首すじの痕が叫び出す いたいいたいよあなたといたい
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生き甲斐は ナースの笑顔に変わりけり 面会禁止コロナの時代
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日曜の子ども二人の子育てとゴルフの両立ホントしんどい
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お隣の子どもの短歌特撰に 加湿器乗せた新聞で知る
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演劇部ハンドボールに囲碁将棋 なかった部活の旗が揺れてる
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店内は欧米色で横柄で横入りするコストコの客
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