ただ凡で来そうで来ない決定打 じっと見つめて一塁にて待つ
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離婚して恋人も無く恋も無し種は枯れ地で芽吹く事なし
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「その傷…」触れようとした僕の手を掴み輝く君の瞳の奥に困惑する僕
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かんきょうが かわって作風 かわったら べつのわたしが でてきたのだろか / だいじょぶだー (^ ^)
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深夜いち時まだ逃げる君の横顔凛として少し擦り傷
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角栓をつまんでぬいて、穴ひとつひとつから覗く小さなわたし
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うたの葉は春一番で舞い散って手の内側に音だけ残る
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私とキスしたら痛いかもよ ベっと出す舌増えたピアス見せる
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君と家で観る映画 観終わる前に甘い夜が始まっていく
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この先に待つ何もかもが恐ろしく思える夜をじっと耐えてる
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今朝の君 ご機嫌ナナメだったから 帰りにコンビニ ティラミスふたつ
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千歳を超えて愛さる歌を詠む志貴皇子のごと 我はありたい
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ラインにて「手紙出したよ」既読する 手書きの文字に心がなご
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月極を「げっきょく」と読んできた道にだけ戻れない 夏めいた朝
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ダイエット器具やサプリを買い揃えダイエットは静かに終わる
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けんけんぱ どうしたら勝ちになるのかをしらないままで大人になった
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大事な人には正直でいたいじゃんだから大事にされないんじゃん
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残額が足りずカードに入金する ココ金沢では「積み増し」という
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「春と修羅・序」を先生が読むうちに生徒らは静かに発電していた
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最近は疲労困憊気味なので起きたらすでにお昼は過ぎてる
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寅さんのような革張り鞄ひとつ使われぬまま戸棚の底に
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今はもう好きじゃなくとも 好きだった思い出は嘘になったりしない
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春風に枯葉散るかと目をやれば地味なの舞う華麗なワルツ
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君の目が彼の挙動を追っている 我の動体視力逃さず
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帰るなり猫様の命を受けましてあぐらベッドを献上します
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例年と 同じ誕プレ 購入し 「今年は何?」と 言われた悲しさ
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万国の伴天連たちは縛につき陪審員に罵倒を投げる
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心まで手に入るなんて幻想を抱いたままで朽ちる紫陽花
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麗かと街並みの隅 流るる葉  追走、並走 抜き去った
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なにもかもくるんでくれる朱の毛布僕いっぱいに温みをためて
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