冗談はかなり露骨でぎょっとする不満の色を隠しきれない
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電流のように走ってしまったと思うビールを飲んで酔えない
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反感が消えて肯定するようにまた新しい発見もあり
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菩提寺も時代と共に姿変え 樹々の狭間に千の風入る
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大抵は一人の方が楽だけど、楽しめるかは別のお話
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土さいてまーるくふんわりふきのとう にがき風味のきみどりの春
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行く末は雲と一つの沖つ波翼に掛けて帰るかりがね
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達成感。逃げ足速いひどい奴。でも今日はまだ胸にいるんだ?
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年金と僅かばかりの収入を胸張り記す確定申告
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触れることしかできないから、諦めてデカ・デカダンス 死ぬまで踊る
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卒業に来れないらしい、病気らしい、伝える機会はいつでもあった
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世界史も古文もいろんな感情も教えてくれた狭い校舎で
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雪解けず桜も咲かぬ春なれど雪の下より新芽は萌える
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だらしなかったお前が   帰り際に「きをつけてね」なんて言いやがって
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手放して自転車乗るおっさん。僕より見たら人生たのしんでる
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手を繋いでガラガラの電車で隣に座って 
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生まれ変わったらギャルになろう。それは、褒め言葉だから
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僕たちがお別れするには早いから夢の中でもお会いしましょう
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雪残る田の水うつす落つるあけに輪をき鳥は飛び去り
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あなたとの日々が終わったのではなく在ったのだから笑おうと思う。
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観客が「長すぎる」って笑うよな、エンドロールが来ない恋を君と
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毎日の薬を何錠飲むかより 散歩の行き先迷ってたいわけ
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かせのない翼を得たはずなのに「飛べ」とだれかに押される背中
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なみだ河いつかの契りは流れゆきただありあけの月のみぞ澄む
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君のこと画面越ししか知らなくてでも愛しくてこの距離感
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忘れたら その日が変わり 失くしたら 予定も機種も まるごと変わる
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踏み惑へ わが生涯の 黒き森 行方しらねば 今ぞ愉しき
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好きなことほんとに好きでいたいから嫌いなことを百個作った
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どれこれも対象外のCMと思いつ見てる淋しきテレビ
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「福祉課を移動の辞令が来た時は後任連れてまた来ますから」
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