宝くじ 何度敗れど めげませぬ 左団扇を叶えるまでは
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あれこれと品定めして包丁をレジかごへ入れ犯罪者めく
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ゴホゴホと 止まらぬ咳は 熱出ずに コロナなのかな? この感覚は
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駅前でカラオケオールしてた頃上から目線で世界を見てた
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無添加の 丸ごとバナナ シェイクして 砂糖不使用 それでも甘い
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静けさの夜にかりぽり怪しげな音ひとしきりやがて静寂の
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水無月の茅の輪くぐって見あげれば 三輪山の端に夏の雲立つ
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車でもアクセル深く踏む傾斜だらだら歩く登り坂道
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あおみどり返して光る甲虫の羽程の嘘ひとつわたしに
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抱えたる想ひは共に出来ねども 波しぶき被る 思ひきりあり あなたの抱える痛みを共有することはできなくとも、あなたの心に立つ波しぶきをかぶる覚悟はあります
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午後十時 愛のかたまり売っていた 有人レジは無くなっていた
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夏げしょう 2人眺める 厚化粧 共に笑って 共に倒れて
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金曜の散らかる部屋でTシャツは傘からはみ出た肩から乾く
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同じ空 見ているたぶん あの人は 今日も誰かの ためにと生きる
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2人の 電柱の影 伸びている 行きの影ふたつ 帰りはひとつ
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煮滾にえたぎりたる熱湯の中にひらり揺蕩わせ しばらく冷ます 薄切りロース
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行きつ戻りつきみとのかたらい 僕じゃいられなくたっていいや
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ひとりでは出来やしないねシガーキス「また今度」って笑ってたのに
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夏季研修 やっと参加者見つかった 必死の願いは天に通じる
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幸せな記憶ばかりをより分けてしあわせになりゆく祖母の日々
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もし君が雨に濡れつつすすむ時、傘を畳んで僕も濡れよう
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まなざしはいつでも責めるものだった自傷の痕を雨は包んだ
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つゆ草の うつし心は初初うひうひし こはごはしうて玉のの解く
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虚無の日々 たまにはこうして胸の中、吐かなきゃ得も損にもならない
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百合の花 威風堂々と 咲く朝や けふは記念日 育つ球根
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ヴィーナスはヴィクトリアンなヴィジュアルでヴィジランテらとヴィオラにおどる
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にんげんは なんで理性をもつのかと 問われて 思わずキスした夕べ
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冷蔵庫ビールにワイン焼酎と ひと目で分かる長男夫婦かれら明日あす来る
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長男の嫁はとってもパワフルで 明日あすに備えて早寝をします
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見なくても結果はわかる本厄で引くおみくじはぜんぶ大凶
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