薄水色 夏服セーラー 涼やかで 女子学生とは まぶしき生き物
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レアものの ギリシャヨーグルトのクッキー あけてみるなり 土曜日だから
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朝一番 ミルク欲しがる わが猫たち 七歳と半の きょうだいなのに
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若き君 今日の出会いが 希望へと 広がることを 願う嬉しさ
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的確によく当たるなと思いつつきょうも噴き出すウオッシュレット
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吹き飛んだ街の上にはビルが建ち 変わらないのは片腕の君
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品並ぶ棚の前で感じ取る間違い探しのような違和感
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母の言葉 お父さんはね 娘が いちばんだから さみしそうに言う
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君が選んだ選択肢 正しかれ 祈るは素直か負け惜しみか
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海沿いのまろやかな風受け流し「もう夏だね」 と笑う横顔
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結露したペットボトルの滴りが嫌に冷たい 都営地下鉄
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一年半ぶりに母がしぼりだした言葉は 私の名前だった
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コロナ過ぎ二度目の直接面会で 母の声聴く六月の奇跡
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サンリオが スペースキーで 「三里尾」に 日々に息づく 魔物みたいだ 
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ロリヰタに 包んだ身体 巫女的で 僕の貞操 破壊されたい
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コリントやマタイの聖句 学ぶ朝 ほんのひととき 神の子となる
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梅雨産まれ アラフォー次男 幸あれと 家族ラインで 祝う晴れの日
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開けてみた 小さな風鈴 友達の 心遣いが 風に揺れる
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ほうばる アイスクリーム いつのまに こんなしたっけ 思い巡らす
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きみの名をそっと呼ぶだけ眠れずに骨も残らず思い出ばかり
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MAX疲労 自覚ある日は ことさらに 鏡みたとき 笑顔をつくる
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ハミガキ時 目、頬、首筋 赤き我 ビール1缶 今日けふ多かりしか
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安らかに棺の中で眠ってる 優しい時をくれし貴方は
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少年の ような青年は いつまでも 爽やかな風 留まることなき
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君のに 綺麗な姿 映したい 水面下に 隠すバタ足
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あるならば リセットボタン 押してくれ 生き直そうと 思えるように
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切り花のお墓をつくろうベランダでその棺桶プランターで茄子を育てる
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「ピンクなのアルカリ性のせいだから」紫陽花説きしきみの唇
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好きな色が似合うわけではないのだと鏡の国の殴れたわたし
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教え子の講師ふたりにやっと会え 一緒に働く喜び噛みしめ
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