少量のホットミルクでお試しを 眠気がほしい はないちもんめ
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穏やかな夜のはずだが 私だけ 気負いすぎたか 緊張とれぬ
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布団から投げ出せり 母の手ひんやりと 寝息が静かすぎてもビビるよ
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タヌ猫を 踏みかけお詫びに オヤツやる 「わけはわからぬ ちゅーるおいしい」
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中途覚醒 ちょっとは遠慮してほしい 昨日は3時で 今日は2時だよ
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羽ちぢめスッ飛んでゆくロケッティアみたいな鳥の去りゆくを見る
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親知らず抜く抜かないって言ううちはバビルサのこと笑えないよな
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痩せっぽちの ボクたちのユメ たくさんの あまぁいあまい 牛乳みるくを飲むの
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死にたがり 思春期ティーンエイジャー まもなく 最終列車へ 飛び込み大人に
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二年間 応援してた 配信者  ダレソ砲にて 晒された午後
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排気音どこか遠くの聴きながら世界の果てに気が遠くなる
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誰よりも 愛した君へ サヨナラは 言えずに蓋で そっと隠した
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いつまでも 少年のような あなたには 誰より似合う 満面の笑顔
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「大丈夫」 と嘘をついて 自分さえ 騙し苦しめ 綱を手放した
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少年に なれない少女 夢を見た 虫あみ持って 野を駆け抜ける
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ずぶ濡れの 子猫抱えた 少年は 遊具の隅で 虹を待ちわびる
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「死にたい」が 日課になって 早二年 いつになっても 来ぬ死神よ
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「あいにくと自由意志なる幻想を自ら選んだ気でいますので」
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メロスさんは統計学的に見ると実にリスクが高い人ですと学者なら言うべき正解
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もしも犬だったらあなたのその愛に応えられたと思うのですが
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少し高いタワーの中望遠鏡もどきを覗く君その世界に私はいるのかな
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紫陽花が頭のように傾ぎつつ誰かに蹴られるのを待っている
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あおぎみる太陽の塔その顔にいのちかがやく脈々となお
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希望とふ羽をもつ鳥たましひの奥処にありてひそかにうたふ
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何だって 夢中になれる 物あれば 日々は彩づく みな、励むのだ
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もしふたり そいとげてても しあわせか どうかはべつの もんだいでした。
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ヴァレリーとヴャレンティヌスとヴァチカンにヴァカンスにゆくヴァンパイアたち
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古代より 人の愚かさ 包み込み 魂宿す 縄文の杉
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もう少し 短命なら 君を好きになれるかも アルストロメリアよ
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友達じゃないつもりなのにはぐらかす 広い背中を見つめてた夏
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