目ざわりなジェンダーロールはケチャップをかけてすっかり食べてしまった
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寝ようとはしても瞼の裏側にあなたの影があるものだから
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だんだんと周回遅れになる日記 寝起きのからだもヘドロになって
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この気持ち三十一文字定型に詠むにはあまりに無理すぎる
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気持ち悪りぃこんなおっさん恋を詠む仕方ないじゃん好きなんだから
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二十歳過ぎ?そんなつもりでいたものを実の年齢四十越えマジ!?
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愛したい縋りつきたい「誰か」とは結局いつもあなたであって
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歳も知り身の上話に相槌もっと心がもっと乱され
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大人しく薄幸そうな表情に滅法弱く心惹かれて
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この気持ち伝える術はないものか男らしさが途端に絶える
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告白のつもりで話切り出すがやはりつもりは未遂 つもりに終わり
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告白の気持ちの「尊敬しています」精いっぱいの精いっぱい
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送り出す祝いのペンを使う時思い出してくれないか僕を
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あなた去り隣の空席誰が来るあなた以外は心満たず
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脇道を歩くいつかの君のため一つ二つこぼしておくよ
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一生ね。知らなかったの? 鳴り続くその耳鳴りは蝉の呪いよ
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二人いるはずの豪雨のこの部屋で君よりもスマホが温かい
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なんとまあ呆れたばかの私でも温かい手に運ばれてきた
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薄曇り しとしとと降るひぐらしの声がさみしく、さみしくなって
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ロールズの理想くらいが丁度いい 北極星まで連れてってくれ
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「感情のない人なんていないから」固唾のみ君を離れぬ僕の目
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生活リズムってどうやったら治るんだっけ あと固形物の食べ方
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今はない桜の下で眠ってたセミの幼虫セミたちの夢はどこに消えたの
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りんごちゃん心底母性の濃ゆいひと今日一番の感動となる
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茹でささみトマト加えた猫ご飯りんごの愛を食べ尽くす猫
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眠る前温度調節難しく 上げたり下げたり働くリモコン
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宝くじ億万長者夢を見て発表までのワクワク感
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消えました 貴方がわたしの 心から
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広瀬川流れは荒く背を向けて手足が消えて僕は柳になった
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消えたいと死にたいの差を考えて夜になる七月の土曜日
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