新聞で作った愛機はどこまでもとんでゆきたいこころの発露
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あのニュースちょっと羨ましいかもな 枝を揺らすと夜が降ってた
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こんなにもかわいい猫がいるのにね なんで幸せじゃないんだろうね
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黒い羊を数えて階段の底までゆく たのしい夢だったね
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日差し浴び桜を眺め背筋伸び 新たな気持ちでルーティンこなす
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幸せになるってこんなに辛いんだ一日一歩歩くだけでも
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神様のお導きにより会った人 また会える日もきっと来るさと
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業務過多 桜満開 素通りし 心の中に 花を咲かせる
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タイミングどんな場合も大事だね 会える人とは 会えるときに是非
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前世での業を償う檻のよう 筍水煮 0806
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後日談みたいに笑って言わないであの頃きみが好きだったとか
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初めての万年筆は就職の記念インクは空色にする
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散ってから旅が始まる花びらは海を目指して川下りゆく
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桜色景色彩る華やかに行き交う人も笑顔満開
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幸せになれるボタンが目の前に。家族も友もカレも消えますが
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臆病なライオンが泣く嘘つきの魔法使いはもういないのに
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ももづたふ翡翠のはしを八十ばかり連ねたかずら今ぞ盛りは
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前世ではきっと猫だという飼い主あなたをじっと見つめる現世のわたし
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無添加のお高め醤油を買っただけ すごくいい事した気になってる
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風でふくらんだカーテンを抱きしめる そこにもういないのは知ってる
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仕事中「迎えに行く」と息子からLINE 頬の緩むをマスクに隠し
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扉を開けるとそこには偶然性があり 例えば私は死んだ
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花冷えの走る車のルームミラー 凛々しく映る君にエールを
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幼木と並んで撮った君と僕 今は見上げる桜満開
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りてきた かぶってもいい うも良し 手を借りたい 万能ばんのうな猫
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東京の街が眠る深い時間 赤い灯航空障害灯はしずかに息をし
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筏師は霞のみをや下すらむ高嶺の花の散るを受けつつ
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すめろぎの御代栄えむと咲き出づる花の都の靖国の宮
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桜の花びら あの日の思い出 泡沫の夢 みな手のひらから 滑り落ちるもの
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雨降りの街を往き交う傘の下 ひとりひとりの影は透明
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