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うつぶして
空五倍子染
(
うつぶしぞめ
)
の
淡
(
あは
)
き
夜
(
よ
)
に
淚
(
なみた
)
の色で月を染めなむ
2
七時二十分豪雨が降ると予報鳴る 長距離移動する日の朝に
5
日
(
ひ
)
な
曇
(
くも
)
り
碓冰
(
うすひ
)
の空の
雲閒
(
くもま
)
より
階
(
きざはし
)
し
埀
(
だ
)
り
天使
(
みつかひ
)
の立つ
2
若者と試験に臨み焦り立つ 記憶の衰え 白髪を見る
5
雲の上、太陽サンサン輝けど、地上へ届く気配すらなく、傘を忘れて、少し後悔
1
寝不足の朝に瞼は「ずん」と重く こじ開けるメスは朝陽の光線
4
何卒
(
なにとぞ
)
を
何卒
(
なにそつ
)
って読むあの子とはきっと生きてる世界がちがう
6
下を向き スマホばかりを 眺めては 目の前にいる 友を忘れる
9
「ねぇ」と呼ばれ僕の名前は無くなって名無しの権兵衛と名乗ろうかな
9
生き急ぐ 魚群を眺め 待ちぼうけ 駅のホームで
泡
(
あぶく
)
を吐いて
9
傘もなく雨に降られてずぶ濡れで なんだか楽しいゆっくり
歩
(
い
)
こう
5
階段を上るたびするパチュリーの土の匂いをさせとく仕掛け
5
春夏秋冬
三月
(
さんつき
)
ごとに移りゆく季節を感じる日本は美し
4
ジリジリと焼かれる皮膚を守りつつ初夏を感じる四月三日
1
三日ぶり短歌を作るバス車内次に君と乗るのはいつか
3
白髪や皺を刻んだ顔を見て思い出すのは懐かしき香り
1
北陸の鉛色の空見つめればかすかな光
天啓
(
てんけい
)
のよう
2
毎日を忙しなく生きるたまにでも休むことはとても大切
4
青縁
(
あおぶち
)
のキラッと光る眼鏡をかけ君は今日も目を輝かせる
2
青空に大きな雲を泳がせてゆっくりのんびり時間は流れる
6
空っぽの心に響くあなたの声私の中の渇きを癒して
4
おすすめのお酒はあるかと訊かれればカクテル言葉を君に贈ろう
2
感傷を自分に許す ひとときを わたしのこころ 息継ぎ必要
9
黄金色
(
きんいろ
)
の 時が掌こぼれゆく かけがえのない すべての瞬間
(
とき
)
が
8
心身の限界近けれ いまだけは 母より先に倒れもできぬ
9
想い出の ゲームリメイク 夢じゃない 歓喜のあまり ファイアーダンス
2
自販機でドリンクの値段上がれども 近所のやつは百円のまま
3
大学のキャンパスツアーを担当した 私はずっとこういうのが好き
6
夜遅く疲れて帰るその道で自販機で百円 幸せを買う
8
バイト先 悩みを抱えた私の生徒 私も実は悩みを持ってる
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