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夏至なのに、梅雨雲晴れず、どんよりと、長い時間の夕陽が見れず
3
夕
(
ゆふ
)
さりて
赤雲
(
あかぐも
)
なびく
靑空
(
あをぞら
)
に 浮かびし月の
朧
(
おぼろ
)
なりけり
6
猫が鳥喰ってしまった生放送「種族をこえた友情」のテロップ
4
夕焼けの届かぬ場所へ移動しよう今日という日を延長しようよ
13
読書家になりたいならばまず本屋で二時間居座るところからだな
4
光が煌めく海岸 ここはどこ? ここはマイアミ 時期はマイアヒ
1
こっちは雨 そっちは晴れだね 毎朝の
文
(
ぶん
)
で感じる わたしたちの距離
10
この香りほんとはきらいだったのにラボの記憶と不可分になる
5
涼風は遼河を超える繚乱の緑土をめざす旅団とともに
2
立ち上がりテーブルの上顔だしてなにかくれよと訴える猫
11
四年ぶり ひ孫らと会い 楽しげな 両親見て 我至福なり
8
新聞に書いてあったんだけどまだ本当だとは言い切れないし
6
25
で遅ればせながら反抗期
息子
(
きみ
)
の心は中
2
なのかい?
8
夏至と聞きカレンダーを
覗
(
のぞ
)
き込む 夏飛び越えて秋を想った
6
いらないよ欲しい物など何もない 大丈夫だよと言ってほしいだけ
5
なぜ母は 自分で買った傘じゃなく 私の折れた傘を使うの
12
もう誰も面倒見ない栄養の豊富な畑
雑草
(
くさ
)
の楽園
9
忌々しい羽音囀り聞こえたら バルコニーに飛び出す ハトとの闘い
4
まだ名前がないってだけでドクターが「大丈夫」っていう病気なの
8
還暦に子等からもらいしスマートウォッチ 心拍数と歩数を刻む
9
放課後の 声がきこえる 夕涼み タイム・スリップ 夏至の夕暮れ
23
何事も無いと勝手に決めていた 検査結果に 不安いや増す
7
眼前の 歪む世界は いつもより 僕を優しく 包み込んでゆく
4
豪雨でも ピーカンでもなき日に移動 ほど良き陽
(
ひ
)
と風 ありがたきかな
6
どこか厭世的な響き、でも ジョージ·ウィンストンのピアノが好き
7
君が着るラベル一枚剥ぎ取って飲み干した後
濯
(
すす
)
いで捨てる
4
心臓を叩きつけられ脳みそも発散するような感覚これは何
2
白き蓮に 顔を近づけて お花は ずっしりと重い 雨後の匂い
5
床につく 父の目にも あざやかな 青い朝顔 いっせいに咲く
10
若いころ 父に似た人 えらばないと 結局似た人が すぐそばにいる
5
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