あるじ亡く ねだられ買った 腕時計 何も知らずに 時を刻みて
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ぼく海に行きたい、と啼く猫がおり頭の中はバケツのミルク
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春待ちて 花のようにも 隠れん 心の雨も 時は来て ゆるやかに照り 見つけしは 小さな工夫 道なき道 歩みゆくかな 
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在宅が 長きにわたり 思う事 よくあんな靴 毎日履いてた
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ペンギンの水槽駆け寄る二歳児の 未熟な走りペンギンのごと
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一歩ずつ歩みを伸ばす一歳の 背中をふわりと春風が押す
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昼飯をミスった時の「………」って感情はいつ消化されるの
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曇天の 散歩がてらの 桜見は 人出少なし 悪くもなきかな
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遠方の桜便りを聞くにつけ庭の残雪朝の薄氷
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お父さん ご病気いかが サクラです わたしに会いに帰ってきてね🌸
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満開の桜の庭の持ち主は帰れぬ家がさぞ恋しかろ
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吠えまくる虎にぐるりと囲まれて 蒼き星たち必死に瞬く
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投球の一瞬先の未来さえわからぬスリルに満つスタジアム
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空腹でも 布団の中が1番安心 でもやっぱり パン食べたいかも
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桜が 咲いたよって 君は言う そっちはどう?って 聞いてくれない
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おのこなら良かっただの浪人せばき遅れるだの「はて?」の記憶 /朝ドラを観て
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白菜を見て驚いて大根とキャベツをあがなう足りる分だけ
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清明よ その響きだけでも嬉し みなで清らか美しく行こ
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通り道 知り合う猫は過ぎ行きて  こちらを見やる 私と同時に
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桜咲く 枝なりに続く蕾らに  さあひらけよと 微笑みながら
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青空に 満開白き 桜花さくらばな 儚き老いの 目に焼き付けて
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春雨にぽろりぽろりと練習曲 溶け合ってゆくまどろみの午後
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春らしい陽気となりぬ まぶしくて 目を細めたり 窓辺の猫のよう
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ハミガキ後 歯の薬塗った母が呼ぶ しばし喋れない 手招き来て来て
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コンといふ軽い咳が出る 疲れたか 呼吸器系がどうも弱くて
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孫と行く 爺婆との旅 越前へ 迫力溢れる 恐竜の国
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たそがれても 新品のにおい この時期の 文房具売り場 ついフラフラと
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春風は 始まり以外 許さない 桜ひとひら 舞う灰神楽
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一年で君はドラムの腕を上げ 未来の夢を真っ直ぐ語りぬ
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今週も半ばを越えて振り返るちゃんと自分を大事にしたかな
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