離任したうす毛メガネの校長にソックリな人赴任してくる
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さようならはなれない手をあわせましょうともだちになれるあなたと
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眼裏で何度か花火が打ち上がる あまりに急な確信だった
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取らぬ狸の、皮算用で 人を欺く、得たものも 真実の、価値は失い 空しさだけ、手に残りぬ
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白シャツに鼻血一滴にじませた春の宵は花ひそかに咲く
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くまのプーさんアルファベットをおぼえたらはじまりははじまりのおしまい
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帰り道真っ直ぐ歩けぬこの足を 夜空の月がそっと見守る
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カクテルの小さきグラス持ち上げて 底のよどみを覗き見てみる
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さかずきを傾けながら思い出す 西の地にいる遠いあの人
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足踏みをどれだけしたら一歩出る 背中押しても進めぬ貴方
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山頂に登り着くのは無理なるもサクラの峠越えて満足
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光から目をそらしなさい明日も生きているひとはだまって
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春の陽をたっぷり浴びたお布団に ふわり飛び込む幼子ふたり
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保育園いつも頑張る君だから 神様見てたねアイスの当たり
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花見など嫌いと言っていた父と 桜咲く中永遠に別れし
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“願くは花の下にて春死なむ”西行の歌叶えし父よ
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糖質が低いアイスを見つけても 価格高くて買うのを躊躇い
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糖質が低いアイスを探すべく スーパー巡りて歩数も増えたる
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風に舞い九階の窓まではるばると桜ひとひら別れを告げに
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なんか話題?「全然+肯定語」 「全然オッケー」は全然オッケー
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ひさびさにスコーン少し焼きたいな 百均チョコチップ残っていたっけ
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薄紅に 染まる大空 春うづき  夜の短さ 日ごと感ずる
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月は満つ 音せぬ夜に横たわる  白絹の菩薩 両眼に似て
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樹の下で 笑顔生まれる 春の日に 桜に寄せる 想い花咲く
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虹たちは断末魔すら許されずアスファルトにて血を流す罰
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春到来 杉も檜も繁殖期 茶色の車 黄身しぐれと化す
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公園は色とりどりの昼下がり 散らす春風うすピンク色
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今だけは 電車の中で スマホより 窓の外には 桜がいっぱい
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ちま猫ちゃん おそとみてるよ のんびりと あさのうんどう おわったからね
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起きてみると 意外とスッキリ 雨なのに 豆乳ビスケットさくらを食めり(春限定)
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