抱きしめて今日は特別夜の部屋線香花火舞うような夢
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見た犬に大発見という顔であだ名をつける君の素直さ
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暖かく箪笥くらいの大きさの空気を泳ぐくじらと眠る
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蜂蜜の甘さ耐え得ぬ精神が罰を求めて道路へ逃げて
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傘はまだ内臓にいる僕たちの顔を知らずに雨と遊んで
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噛みついた夏の陽射しが不安げに私の顔を見ている木陰
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端正に何もしないでよいのだと教えてくれる遅起きの朝
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夕立で心が濡れて冷えぬよう駆け寄る白い細長まくら
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心の色違うんだね 同じ場所で同じ花火見てたのに
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かたられぬ心をかたりて生きてゆく Now Loading、Now Loading
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肯定と 否定の意味は 逆なれど 双方力の 源となる
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貧困救う 国外へ出た 優しい君 救いがいない 不幸溢れる日本から
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家族亡く 広い部屋には 私だけ 不幸重なり ゴミも積もりぬ
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この世には止める神すら居らぬのか天災地災暴走のまま
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戦いは雲の陰から水神と龍神が組み民は飲まれる
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忠実に手本を習う一時間小筆を持つ手のはつか震える
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睦まじく 仲が良くても 所詮他人 忘れて自分が 壊されていく
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睡眠を さまたげられて 電気つけ 消すと同時に またあの音が
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七日前穫れたメロンは熟したか?傷んだだけで食べれなかった
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あんみつを買うとき貰った保冷剤首に当てたいの我慢していた
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早起きし誰にも邪魔されずYouTube いつの間にやらそんな知恵
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えらいひとは言うオーダーメイドより量産型の方がいいねと
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ねこたちは 箱をなぎ倒し 進みゆく こーらさんの空き箱すきだよ
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現し世に適せざる者ここに居り二十四時間遠隔監視
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向日葵の細くたなびく無邪気さに己の弱音も風に流して
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雨降りて 激しく土に 叩きつけ 人の営み 律するかのごと
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エミネムはあまり似合わぬ夏空だ。韻をかぶせる芯もあるまじ。
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暑さゆえ、雫が空に放たれる。熱気求めてウナギは登る。
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夕立が 毎日我の ほほたたく 天の裁きか? つらぬく稲妻
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氾濫す。君患いは河のよう。濁った頭で「明日を祈る」、と。
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