工夫だよ同じ速度で歩いたら回転寿司も回らない寿司
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道端の一輪の花の名を知れば散歩も楽しありがとスマホ
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皿の上に小さなシミがあるんだがよくよく見ればそれは血だった
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エクスプレス キーウへ走れ 夢乗せて 空襲あるとも 故郷恋しき
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満月よ パワーを分けてくださいと 束の間祈る あかるき夜空に
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過負荷名残 少し手首は痛くとも ねこは抱いてく ねんねの部屋へ
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友達と 青空の下で はしゃぐ夏 儚い青春 惜しむように
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夏の夜 窓辺に座り 黄昏れる 虫や風のに 耳傾けて
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「霊媒師」それは病と知らぬまま精神科にて永久に「神」
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火曜日は朝から夜まで授業あり 気力体力自分と勝負
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夫の摘む苺メインのスムージーゆっくりと飲む腸へ届けと
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夜になり 着替えがないことに気がついて 急いで洗濯する怠惰さよ
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家康の 妻も息子も 自害して 生き抜くことの 非情を見る
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バシャバシャと パブロでインク かきわけて イカ娘ちゃん 参戦します
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広がった部屋の面積慣れなくて散らかす算段つけつつ歩く
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光なき トンネルをただ 突き進む 辿り着くはず夢の続きに
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在りし日の 君の幻影 追い求め 公園ひとり 揺れるブランコ
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「このままじゃだめだ」とあいつは太陽を水鉄砲で三回撃った
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青々と澄んだ海に泳ぐひと恋をしたのはジャケットのきみ
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巻き戻し何度も何度も聴いた曲遠い昔の記憶を戻す
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猫の目を見つめてみればキラキラとビー玉みたいに光を集める
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黄昏たそがれに散らかった部屋でコリックと蓄音機から濁ったピアノ
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ほととぎすあの世へ誘う黄泉よみの鳥私の心身そちらにいざな
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花の名を教える母の尊さよ色とりどりの花が包む
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薬指の責任とって銀色の冷たいリングが指締め付ける
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春先の曇天の雲みた後で手先の冷たさ温めてね
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爪の色ピンクがモテると言うけれど好きな色は寒色系さ
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母親のあんたは男運ないからねその言葉から逃れられない
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繰り返しリフレイン さっきテレビで聴いたとこ マリーゴールドが 延々揺れる
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生き物の 毒があるのか 分からずに 食べたり触れたり 気づかぬままと
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