得るために失うことが必要で夜中の2時にノートを広げる
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わるいこと いいこと両方 おおくない おなじあゆみと かおつきのはは
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大ピンチ 古巣に戻った その訳は 私のタフさ 見抜いた上司 
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行かないで 異動の季節 別れの日 引き継ぎ業務が理解できない
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晴れ渡る青空眺め時過ぎる。ただ緩やかに死へと近づく。
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通勤時 アニメを見てる サラリーマン 横目に見ては ネタバレ喰らう
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覚醒はできないけれどできないと自覚しておくまではどうにか
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幻想のために死ねるという人のバグが虫ならやはり胡蝶か
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人間は飽きっぽいので神様もシーズンごとに新作が要る
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伝統と言われるもののほとんどがせいぜい数十年の歴史で
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この人が命を賭したA国も敵のB国ももうありません
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牛糞の 匂いは臭くて甘くって どこか懐かしく心落ち着く
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歓迎会 やっと見つけた ベストなお店 新型コロナで キャンセルをする
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絶食を誓って二日かたくなな決意破った「ご飯行こーよ。♪ 」
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いそいそと終の住処を探すよう 推すに値するもの追い求める
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噴水で 水遊びする 幼子ら 夏の休日 眩しい景色
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週末のうちにせねばならぬは残れどもまた新しい週がはじまる
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キィキィとさびしげに鳴く自転車で進んでくんだそれでもきっと 
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気の置けぬ 友とパン屋で お茶すれば 心の重荷 ふとほどけゆく
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星空に今日の平和を感謝して 明日からもまた静かに生きる
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蜂窩織炎 朝言い合いし 妻先に 心配するか 我感謝なり
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お腹の子 立派に成長していたな 嬉しくなった 父でなくても
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君想い夜空見上げて思い出す 短歌うたは私を乙女に変える
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憧れを結んで開いてこのかたち 無様だけども歩いていける
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「またね」を言った一等星、「さよなら」も言えなかった三等星ら
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こんなとこでやめるものかと筆を取る まだ真っ白な「わたしのつばさ」
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この雨は豊かな森を育んでいつか誰かの涙にもなる
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実家から千キロさきのからっぽの部屋からぼくの生は始まる
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ホームにて 故郷の空き家を 懐かしむ 写真見せてと 百待つ母よ
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丁寧に水と肥料をあげていてカーネーションにまだ花はある
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