足元で図書のやり取り出来たらと陸橋坂越え日盛り避けて
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そっけない君に好意を伝えたい 好きバレしろと短歌をうたう
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座るとき 腕と腕が触れる距離 私のことが好きってことなの?!
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赤ちゃんて 愛の結晶なんだよね? 共に暮らせず なんで授けた
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靴下が濡れ 換えを忘れて 靴の中で冷えていく温度
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泡のよに 浮かんで消える 短歌うたたちを そおっと包んで 記憶のカケラ
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みずみずしい りんごのあまき芳香を 深く吸い込み 朝がはじまる
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むらさきの 雲居くもゐひき荒南風あらばえの 吹きすさびては夕立風ゆふたちのかぜ
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夜明けまで掃除していた疲れには眠剤無しでちゃんと眠たい
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遅くまで眠っていよう。また今朝も上階の音とても元気だ
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上階のあるじ深夜に騒々しい吾も風呂場の水垢を取る
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義兄にいちゃんと 呼んでみなさい 万太郎。 竹雄のいない 朝のらんまん
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信康の荒れた心と アメリカ兵 壊れた心 何処へ行く
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徳川の 瀬名の悲しみ 誰が知る 流れし涙 知る由も無い
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強右衛門 歴史に知れた戦場に 名もなき兵士の 叫び忘るな
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細小蠏ささがにの 蜘蛛のをしてつなぎしむ 淨土じやうど奈落ならくのすさびなめり
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ゲリラ豪雨 いまかいまかと 空見上げ 限界ほどに 自転車をこぐ
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わたしたち 星の位置が 違う同士 冬の星座と 夏の星座
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妊娠を 伝えて皆の優しさに 安心し我 どこか淋しく
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吾娘あこ二人 日焼けした脚を 出し午睡 泥付き大根 四本並ぶ
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受付に坊さんの妻現はれて作務衣の指にマニキュア赤し
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護衛艦が見える レーダーには映らぬ型だが静かに波を切っている
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下向きて食器ザラ見る飼ひ犬の口の先から涎の落ちぬ
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宿から見える里山は朝の霧雨に包まれて緑の木々が鮮やかに映える
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源泉のそばに立ちたる道灌の像は噴き出る湯気に錆をり
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伊豆の宿に泊ったが料理は一品ずつが少なく眼の前の刺身も小さい
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かさかさと風で震える三円のコンビニ袋は孤独のたましい
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コンプライアンスを守ることにして言わないが君はASDだよ
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明日の予定 明後日の予定その次と 美容院カットのみ どこに挟めば
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爪伸びて 不便だけれども 夜は切らぬ たとえ迷信と笑われようとも
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