濃紺の闇に浮かびし山稜の 紫煙にくゆおぼろ満月
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(最善の道を)選んで、(最善の道を)外して、さいぜんのみち
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ポトフなる 名が暑そうで「コンソメ煮」 夏のあいだは コンソメ煮と呼ぶ
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仰向けの 私の脇に 背中つけ ふれる場所には 猫の体温
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銅製のコップにあたる氷の 耳から涼が広がってゆく
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日々猛暑 花との出会い 少なくて しおる心に 鶏頭のあか
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夏だから海が見たいな気持ちだけ若い子のまま言ってみた朝
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ねこかわいい 科学的根拠があるそうな?ベビースキーマ?「そんなの関係ねぇ!」(笑)>ねこは存在がかわいい
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牛乳に ヨーグルトさん チーズもね 三種の神器と 今朝は塩パン
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今日もまた風呂みたいだと豆苗に言わせぬ為にカーテンのかげ
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すぎていく日々は暗闇でも あなた 光の中でそのままでいて
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陽炎と器に山のかき氷 私が神になる日も近い
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八日目の 蝉臥す ここは土の上 気高く生きた 日々に想いを
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右足の靴下にだけ穴があく原因わかる靴底の穴
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システムでいやしてくれる無機質に値上げされてもコンビニによる
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傷ついた 気持ちも全て 美しい そう割り切れたら ハッピーなのに
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自由にといわれると逆に不自由で白紙のままの自由研究/題『自由詠』
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辛いのに心に甘く沁みわたる忘れられないあなたのカレー/題『料理(テーマ詠)』
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サーティーワンアイスを選ぶ姪っ子の瞳の奥にキラキラの星/題『アイス』
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富士を背に屹然として花一輪 天の川なる銀河の外れ
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其処此処で ラムネの瓶に 閉じ込めた 夏が噴き出す 陽に溶ける街
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蝉や雉 奇妙な感性面白き フォローに付くはカウボーイ二人
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急がない気楽に行こうと言い聞かす 日にち薬が癒してくれる
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最低な自分と分かっているけれど 息子抱きしめ泣きはらしたい
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言の葉を吐き出すことができる場所 Utakataがあり救われる我
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愛用の桜井漆器の赤酒椀 車輌揺れても酒はこぼさじ
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やれ帰らん愉しみ居酒屋新幹線 今日の肴はコンビーフと豆
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金沢のビジネスホテルは満室で 能登の人多く泊まらむ二次避難
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美女降りてなぜか気楽になった俺 金沢までの残る半時
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完全に情緒不安定の極みなり 元の自分に戻れるだろか
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