脊椎をよじ登ってメラニズムにかじりつくそれはバグ赤色の小癪な血玉
0
伝統の名誉が欲しいか人殺し 救急車両も足止め駅伝
0
耳千切り血濡れの鼓膜を火で炙る セミに花火にゴミ野球
0
空っぽと思いし箱に菓子一つ何もなき日にチョコ微笑んで
9
かまびすし蝉の声振る7月の死者の叫びを浴び立ち尽くす
6
かまびすし防犯ベルで根源の君駆けつける消えたいすごく
5
風の子の保育園裏夜気にまだ自転車二台しんと停められ
12
「ここにいる」叫ぶ蝉たちうらめしき俺もやろうかこの野郎ども
3
淋しさを紛らすために少量のバケツの水を被る午後5時
6
読みさしの本も、涙も、宿題も、ぜーんぶ見ないふりでねむるの、
5
感情を 言葉に置き換える 作業が すごく苦手で 独りが楽だ
4
あかねさす夕日眺めて立ち尽くすひとときにあなた思い出せずに
7
汁なしの担々麺をできるなら一緒に作って食べたかったよ
3
きみだけに見せる笑顔を遺影にはされたくないしぜんぶ消してね
6
もう知らないと拗ねてる間にいつの間に 全部取り返しがつかないな
7
人生は遠いところに行っちゃった 今更足掻いても遅いようだ
4
頑張って偉いがそれじゃ稼げない ちょっとの素敵じゃ食っていけない
6
夜通しで五輪観れぬが録画では感動薄れる悩ましき時差
17
優しさに悪態をつき吐き捨てし腹立ちにける己自身に
12
労りで優しき言葉かけられし悪態をつく己を恨む
9
かるくって カシャカシャいうもの チビ猫も すきだよ「まくど」の「ぷら・すとろー」とか
11
いたいけなあの子の未来を断ち切った人差し指を濡らす雨粒
4
YouTube越しに聞こえる猫なで声 僕新宿の地縛霊してる
4
蚊の羽音聞き流す夜 左手がすべてを負って腫れている朝
12
夜を裂く銀の駿馬に君をみる 花の都へおかえり、ジャンヌ
8
体感す 夏の記憶は 年々と 砂漠の中に 溶けていくよう
13
おとり籠トリモチ携え山に入る若い頃なる苦き思い出
6
飴と水忘れた散歩で自販機の前に立ったら値段に驚き/(スポドリ150円じゃないの?)
7
雷で明るい空を眺めるも海を知らない一人の青年
6
浅葱色あさぎいろ 涼しい色相しきそう いやされし スイスイと飛ぶ しおからトンボ
22