起きていることがもともと普通じゃない目覚めて急いで眠剤を飲む
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二度寝するあらゆる苦しみから逃れ冬眠の熊を妬ましく思う
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濃ゆすぎて薄められないあの時間とき を 透明にする薬が欲しい
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自由律俳句のリズムだけを聴いた 右のイヤホンで不自由に
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足の爪 赤青黄色にしたい それだと指が一本足りない
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カラフルにしたい気がした今日の顔 気分変わってすっぴんでゆく
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耳残る これってあの曲 鳩のさえずり 音程バッチリ 日々感心
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窓の外アゲハ舞いきて紫蘇の葉に風にゆらるる猛暑日の涼
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朝六時 畑から戻る翁おきな居て 一日ひとひが長しと小さく語りぬ
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半分に 分け合うといふ 優しさを 示すかのよう 朝の半月はんげつ
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手を引かれ健診うくる媼は九十一歳くじふいち「転ばぬように」と声をかけ送る
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あの夏はきれいな空がありました わんこの雲が浮いていました
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さようなら あなたの人生 から ログアウト
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むずいと命令するとやさしい文AIに笑う独居老人
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また君に恋しちゃっていいですか 好きにするから笑ってくれよ
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すぐ切れる縁に愁嘆 その糸を手放したのは自分の癖に
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読み終えて余韻にひたる時長く推しの作家へ自慢が続く
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ご飯だと呼べば人よりすみやかに餌皿前で待っているネコ
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初めての 家族以外と 見る花火 どうだったのか わくわくしちゃう
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鎌倉の海の写真をくれた君 幸せがほら溢れてきそう
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仮住まい 満室のAPA あぶく銭 眠らぬ街のぼやけた花火
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助手席で君が奏でる鼻歌を聞いて追憶南国の日々
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残念ぴ!首が一周回るニキ!全部のホクロは把握済みだし全部記録をつけてるにょ!
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ねぇあなた ここの黒子ほくろを見つけたの 私が最初と言ってくれるの?
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鼻くそ食って屁をこいて下痢が漏れたら二十歳を半分過ぎた頃
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きんたまか きゃんたまなのか きんたまか Wikipediaみたいな紳士が言った 「精巣」
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何もかも伝統という無脳児や さっさと変えろLED
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山登る心は澄んでえびす顔 さっき跨いだのはたぶん人糞
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マスかいて尿いばりのつく右手かな 厠の帰りは手を洗うものを
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無法喫煙所にて遠くから来るパイズリ汚れた靴裏で踏んでやれ
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