ピザ屋より僕の彼女になって欲しい林檎と青を噛んでみたいよ
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「今日寄る」と小さなメモで渡された 昭和の不倫に胸は昂る
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こんにちは 初めてお目に かかります 親に言われる 老健の午後
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アベリアは無数の腕を突き上げて花粉媒介者ポリネーターを捉えんばかりに
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深煎りの豆しかないから仕方なく 年甲斐もなくカフェオレ飲んでる
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初孫も、もう100日、食い初め、可愛いのに、だんだんひとり立ちスタート❣️
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「はい、これ」と寡黙な息子さりげなく手渡すピンクのカーネーション
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薄靄うすもやに覆われた空見上げつつ街路樹のそば 桃色ツツジ
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手を見てる暇があったら寝るやろと石川くんに毒づいてみる
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目の覺めて開口一番つかれたとひとりつぶやく日は續きたり
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散乱す気持ちの整理覚束おぼつかず雨降りの日に片付かぬ部屋
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おとおとこゝろを盡くさずとえきにはあれど詠むはやまず
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ベランダに イソヒヨドリの来て楽し 佳き一日に成るよう願う
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夏前の憂鬱な日々、劣等生、優しく等しく生きたいのに
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眉剃りすぎつくりものの眉つくりものの目つくりものの肌で
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あい」はない「じょう」はたくさん残っても 「じょう」というやつ案外厄介やっかい
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引越は本段ボール段ボール家具段ボール本段ボール
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無視じゃないあなたの声が小さいの 叫んでもっと助けてってさ
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乘合のりあひみちゆく中のこゝどうぞありがたうねに人間ひとの道見ゆ
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和歌俳句正しく理解する人は自ら詠まぬとの説があり 
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雨上がり雑草くさ刈る音と青い匂い纏い帰らん初夏はつなつの道
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我が夫育毛グッズが増えていく ガンバレと声掛けるしかなく
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ヨチヨチと歩く息子の手の中で ひらりと揺れるミニ鯉のぼり
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しなやかに全てを味わい思うまま猫をやってる 君はいいねえ
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コーヒー香る煙立つ 生きてたら砂糖もミルクも入れない歳だな
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つつがなく手続きを終え 区役所から 帰りの近道 桜のあった道
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皐月さつき入りチリアヤメ咲く庭一面スクリューのかたち に空の色
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聞こえない?アンタが口を開くたび火打石がカチンと鳴ってる
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値上げ値上げ あらゆる値引きで対抗だ クーポン券とかラインお友達とか(どんどん増えてく)
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てのひらに載るほどさき吾子あこを落とし泣きをめき探しありく夢見き
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