コーラルの海の航海綱解けばとうに私は人間ひとでなかった
9
人の目に触れてるあいだ恥ずかしい大型ごみは家の内臓
19
わしらかてさっぱり区別付かへんで山口組と大阪府警
13
草むらを戯れ合い飛べる雀らに懐かしさのあり小春のひなた
28
誘惑に負けて自分でしょくしたくみやげの封をぞかいてんげる/潤間ぼへ様「きってしまった」らしいです
6
川口の 花火の音が 響きたる 父への手向けと 祈る立冬に
18
落ち葉焚き垣根の先の曲がり角ありゃりゃよく見りゃ連続放火
12
寂しさと辛味の切ないハーモニー一人で齧る二十日大根
15
色褪せたアルバムをそっとめくる祖母の横顔に浮かぶ恋する少女
14
今日もまた仕事の話しかしなかった真夜中のコンビニのど飴を買う
17
終電の吊り革を握る右手から昼間絞ったレモンが匂う
14
告別のヒールにずれし我が足よ 痛みは癒えず 忘れもできず
12
かーてんに のぼりたいのは ちゅうもくを あつめたいのよ ちま猫ちゃんは
19
「どこからなの?」「どこ行ってきた?」とニコニコと 答えたら「食べてばっかりやん!(笑)」とツッコミ(笑)>宇治一人旅回想・お煎餅屋のおばあちゃん
10
薄暮れの天蓋うつす真鏡澄みて流るる浅川流る
10
デート前 心躍らせ 準備して 不安は消して 楽しさ増して
13
薄くなった金木犀の香りをいつまでも嗅いでないで、お願い
11
太陽と空とわずかな静けさがあれば神なき世界是非無し
10
霜月の 別れもうはや 七年の 尊き祈り しずくの輪紋
29
政治とはいつか視界もくもるまに自らの火に燃えつきて灰
9
からっぽの藍ねず色の部屋 ふたりぼっちの僕らは眠りにつく
7
ローリングストックそろそろ回そうと ペットボトルの水を帯同>家の中で
15
ねずみさん(おもちゃ)かじられるので オヤツしよ ねこたちわくわく ならんでまってる
12
夜光虫のあかりを頼りに逝く 自分のじゃないみたいな素足で
6
牛乳を鍋で沸かしたあの頃を思い出しつつチンする今宵/おおさむこさむのこさむくらい!?
14
投稿をする自信なく書きめるそれではやはり詠んだ甲斐なし
20
ハムラーメン 「ポニョ」の真似して作りおる あれは厚切りハムであったかな
9
光る月 小豆の海に 輝いて 柚子の香りの 餅入るぜんざい
15
旅先の家族の姿浮かべつつ 予定飛ばして猫撫でる週末
15
電車で睫毛の長い学ランの高校生がすやすや眠る
9