まっすぐに 立ち並ぶ菊 我こそは 日本の美と 競うがごとく
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病んでいた心も楽になってきた 何着ていこうボッチで映画
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晩御飯 冷たい氷が沈む水 そうかあなたもぼくとさよなら
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陶芸に洋裁・絵手紙・小旅行 生き方上手じょうず母見習いたい
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音信不通の淋しさしょうなり再会できたよろこ
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寒い冬 思い浮かべるやわらかな 湯気とわたがし線香のけむ
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突然に息子からきたプレゼント本物ならず猫カレンダー
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激痛の嵐の唸る夜の闇 朝の陽に凪ぐ詩歌うたの海見ゆ
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あなたから良い香りするラインきて触れた背中の熱さをおもう
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道すがら昔の友に似た人見かけ今じゃあんなに若くはないよね
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夫には言えぬ五文字をいつ言おう言えないままで終わるもいいか
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この人が若い私にこの指輪渡した頃の煌めきさがし
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紅葉の葉海に投げればたちまちに海にも秋がおとずれるんだ
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分け合った、二人の孤独を静と化す。 十一月の 冷たい雨は
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つつがなく 今日のひと日を送れる様 娘に戻りて 御祖みおやに手合わす
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頬あかくそめて無口になれる子のからだ寄せきぬ診察待つ間
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短歌うたうかびスマホ取り出しメモせむと旧かなづかひでフリックしをり
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庭先の 錦木の葉が 紅葉し マゼンタ色に 季節は染まる 
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半径と中心点を見極めて 暗算をするにいパイあーる
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路地裏のアパート裏を駆けながら 誰にも見られぬ夜を甘受す
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不覚にも涙腺緩みほろほろと頬を伝った涙モニタへ/アマプラで『ルックバック』を観て
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筆箱の中からバッタ取り出して 「飼いたいなぁ」と父を見る君
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きんさんとぎんさん特集みゃーみゃーと母と見終えておやすみ短歌
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「痛み」詠む うたともの歌 身に沁みて そばにゆきては 背をさすりたし
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全国の 天気予報で 比べても 意味はないけど 羨ましいな
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花梨の香は、桃、梨、いづれに似つれども花梨の香なり。独特の香なり。
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花梨黄なり。黄なる花梨をざくざくと割きて煮て詰めてジャムをつくりぬ
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あからく朝日ふふみて花櫚かりんなると黄なる実るに妻よびに
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君は我ならずべければ心得らるまじとぞ思ふことなりけり
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信頼の上に重ねた言葉さえ雨に降られたぬかるみに落ち
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