W」や「笑」が古語になる頃に「 。まる 」「 、 てん」は辞書に残るや否や
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孫宛のLINEの「  。まる」と「  、てん」を消し、送信ボタンためらいて押す。
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「こわれもの」小包届く海越えて 現れたのは ふわふわコアラ\思い出②
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プレゼント箱を開けるとまた箱が 最後の箱には指輪がひとつ\思い出①
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夢の中 人差し込む 太陽は 眩しすぎるよ 眠たいが
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このあとは家族と外食行くと彼 全て受け入れ丸ごと愛す
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早朝に 眩しく思える 太陽は さり気なく自分を 照らしつつ
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静寂と 風の音しか ない夜は 人間の数を 錯覚させる
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夜が更けて 朝み妙だに 良け気せり かなかな高楼こうろう 多く木炉もくろ
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生半可ハンディーファンと縁がない古希のエアコン好き引きこもり
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ありがとう着て行くところないけれど 月末にメシ行くかそれ着て
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遠慮して値段気にする母親を お店に任せシャツをしつらえ
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加藤茶を「ぺ」の一文字で表記する 友のノートのドリフのコント
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ストーブの手離せぬ日の続きたり 五月半ばの暦でありて
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ギボウシの薄い緑の葉を濡らし雨は降る降る天高くより
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留守の間にミントとドクダミはびこって 絶望を知る小さな庭に
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こまやかな米粒ほどの花つけて 小さき笑顔ツゲに蜂舞う
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初めての散歩はパパと湘南の 波と砂浜よちよちと(一歳の孫)
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窓開けし 始発電車の踏切音聞こゆる朝や 夏近づきぬ
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くろ雲がしろ雲にいじめられたらし午後から涙雨の模様で
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あと何回里帰りができるかな 雨音はいや 淋しくなるから
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もう少し話をすれば良かったな いつも後悔実家去る朝
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雨音と寒さで早々目が覚める ズレてた毛布すっぽりかぶ
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窓開けて深呼吸すると出し汁と卵のにおい空にヒビあり
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初夏の陽が「早くこいよ」と呼びかける僕は毛布に溶けているのに
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青々とした黎明も朝疎み顔を曇らせ涙を堪える
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とりあへず電子カルテにログインし仮想患者で〈SOAP〉を試す
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メジロヒヨドリ桜が好きで春になる今日脱サラヘ銀行辞めて
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大丈夫とぼけたふりして蓋をして隠したナイフでじゃがいもを剥く
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考さんに妣さんになり妹と初恋の娘のようにこれから
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