若者は志願させられ殺されて今なほ英靈と呪詛のろはれてをり
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愛國を謳ひながらもその國に生ける人をば惡しざまにいふ
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國民は馬鹿ぢやないとはいふけれどもしさうならば今かうぢやない
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心には穴があくけどその先の虚無の中から言の葉が来る
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少し気の早い 小川の青芝と 夏色のワンピースの君
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「ゴスロリを着てみたいのよ」着物脱ぎアイプチ決めて家出のこけし
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宮城野の 風吹き荒ぶ 荒浜の 耐え立つ黒松 その針を御覧
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採れたての果物のよう街歩く人々の群れ夏に向かって
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小説を 読み終えた夜 寝れはせぬ いつかいつかと 夢はみつつも
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濁したとしても優しそうと言われただ正直に嬉しかったのだ
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歩いたら十分で着く倉庫街僕の瞳の運河がひらく
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ポケットにひみつ道具はないけれど、ぼくがあなたのドラえもんだよ。
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痛いからあなたのかたち消したいのあんまり全てを手に入れたくて
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休みの日休みじゃない日通常日 ひっそり感じる連休格差
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遅かった青春過ごした三宮 さまざまな想いはあれども慕わし
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ふるさとの空気を感じ 弾むこころ 三宮で生まれた訳じゃないけど
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私という個性の保持なども含めて代わりにやってくれる機械は?
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突然に怒り出すのが「人らしさ」なら、人らしくなくてもいいや
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朧月 孕んだ雲が 遠ざかる どうかまだ夜 連れてかないで
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暗い部屋窓を射す日に思い出す崩れ落ちてく日陰積む雪
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すばらしき原始の海を仮定して魚の心で潜るバスタブ
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花の手に止まって覗くミツバチが ふたりっきりの秘密みたいに
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やわらかく土踏みしめる歩く牛 すべての時間この様がよい
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冷たくて大雨みたいに降る言葉 濡れないように逃げていく人
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届きそうで 届かぬ想い 漸近線 lim極限とれば 触れれるものを
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過ぎるもの過ぎてゆくもの私だけ変わっていない、から空、さみしい
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人間の似姿としてランダムに怒ったり泣いたりする機械
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人間性には欠けるので「人間がやるべきでない仕事」もやれる
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会社員 歩幅もテンポも 倍以上 老後はのんびり 過ごすといいわ
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人らしく振る舞うことには慣れてきた 人の定義は知らなくていい
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