ビル風に 影響受けない あのベンチ 右端のキミ 左端の俺
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若芽より つひにぞ出づる 言の葉よ そのいかほどを に定めんや
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ちっぽけな悩みにかまけ 無駄にした良い機会 悔やみなん背負う
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関東と信濃を隔つ険路にも ちょぼりちょぼりと山桜咲く
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丘は萌へ峰も萌へたりやまなかの 自生の 花は今ぞたけなわ
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ウィンドウのうつしぬかに重なれりバーゲンセールの文字赤赤と
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芝桜ほどよく酔えばうたた寝の目覚むる妻や高麗駅あたり/羊山公園を後にして
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ワッハッハッハッハ楽しげな声こだまして山は微笑み久々の晴れ
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老人に 海で学びし 鶴の型 少年高く 空を蹴り上げ「ベスト・キッド」
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洗濯のタオルの枚数増えてきて体は夏に気がついている
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リュック発見の「親族」って誰? 他の家族は無関係なの?
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今もなほ語らで伝ふ歌なればなにに頼まず息吐くごとく
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開示さる富農屋敷の映像に 霧なお深し大家族の怪
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新年度顔ぶれ変わるドライバースーツ姿のあの子がとおった
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梅の園 香溢れて 来てみれば おぼろ雲たなびき 山の端かすみ ふるさと遠くなりにけり  秋の夕暮れ
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特許はつめい案 漁って読んだ昼休み 詠う心の下敷きとなり
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白雲よ そんなに急いで どこへゆく 君のおかげで 空はあおいのに
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春暮れて山はくっきり立ち姿みどりの風が 髪をなぶるよ
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両膝に水が溜まって炎症し 痛みの根拠あるのが嬉し /線維筋痛症ゆえに
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オチがつく落語みたいに滑稽な日々を演出できたらいいね
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桃色のまきびしを踏む雨上がり どうやら私は殺られたらしい
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紫のツツジ満開 ちらほらと ピンクと白も いとささやかに
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日々下を向いて歩いている私にも春を告げ逝く散り桜
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素っ気ない顔で眺める橋脚に砕け散る波 胸に渦潮
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葉桜の 下で鳩追う 幼児おさなごに 通行人の 眼差しまなざし優し
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次こそは大事にするって決めたのにTシャツの裾で拭いてるメガネ
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崩落くずおれて 消えゆくまなこに 浮かびしは 親子で泳ぐ キッシンググラミー 「シュリ」
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あの山に守られているこの川に生かされている春は往くとも
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疾風にさらはれ 人の行き交ひぬ歩道へ舞ひ込む 店の貼り紙
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岩陰に 深山椿の 咲くごとく 稀なる歌に 逢いし喜び
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