誠実な人間だったはずなのに汗にはりつくシャツに釘付け
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温風あつかぜは遠き野分を思はせて空蝉残る緑葉みどりば揺らす /皆様お気をつけて
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母とはね なんでもだいたい 半分こ 杏仁豆腐もクリームパンも(なんなら輪ゴムも‥w)
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朝起きて寝ぼけまなこでパンを食べパレスチナの記事斜め読みする
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暑いのは大っ嫌いなはずなのにろうじに流れる祇園ばやしが
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バンザイのさかさまをして夜に触れないように さかさまのズボンが干されてる
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夕暮れの風のり泳ぐクジラ雲 向かう先には野分のわきの姿
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重力が 存在しないとするならば。スノードームの冬は永遠
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疲れ果て 通勤帰り 慰める如く 家路の向日葵と百合
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台風の後を飛んでく黄揚羽の後に続けと自転車を漕ぐ
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台風が過ぎて夕方五時半の空は水色真昼の様に
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マイナンバー更新義務は五年ごと写真は十年アンチエイジング
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小止みの間セミはかそけくさざめいて短き命を燃やすのだ いま
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まばゆさに 手をかざす時 隙間より 洩れる光が 不意に美し
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バタフライエフェクトうれし 雨降らず 損したような 気分はカオス
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陽光に 透けし白雲 浮かびけり 蒼の深さに 影をもちつつ
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言葉とはよろづの人の声を借りこころの土に開く花なり
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水鉢の メダカの泳ぐ 水面みなもには 風が通りて 浮草揺れる
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女子社員に「ユル・ブリンナーって誰すか?」と言われ がっかりする午後
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陽に焼けたスキンヘッドの我が顔は ユル・ブリンナーと見間違えるほど
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撃ち抜けないほど 貫けないほど鈍い言葉で誰が殺せるのかなんて
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「別れろ」と頭では分かっているのよ 心は違うの 好きなままなの
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君よりも、奥歯の背丈が ちょっと低い 私の青春、噛み締めて
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めずらしくきみがおごってくれるので 高級タンをたらふく頬張る
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ちま猫ちゃん 抱きしめたいの その一心 日焼け止め 念入りに洗い落とせり(ただいま!)
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おまえを殺した日は、わたしの誕生日
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野菜室 凍えた青虫 喝入れる 北海道から 来たんじゃないか
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夏でもさ湿り気の距離近すぎる 君はサウナじゃないんだからさ
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木の間吹く風も涼しき夕闇に蛍飛びふせせらぎの里
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男とか 女とかいう 区別さえ 今や意味なし 時代の流れ
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